何かと話題の生成AI、先日も首相のフェイク動画が話題となりましたが、今回はPhotoshopの新機能「生成塗りつぶし」を使って画像を加工してみたいと思います。
生成塗りつぶし
ー生成塗りつぶしで Photoshop の未来を体験ー
「生成塗りつぶしは、Firefly の技術を利用した画期的で魔法のような生成 AI 機能スイートの一部です。100 を超える言語で、シンプルなテキストプロンプトを使用して画像のコンテンツを非破壊的に追加、拡張、または削除し、生まれながらの創造性を発揮できます。
この機能を使用して画像のパース、ライティング、スタイルを自動的に一致させ、以前は面倒だった作業を楽しいものにし、驚き、喜び、仰天させるようなリアルな結果を素早く実現します。
新しいコンテンツは生成レイヤーに作成されるので、元の画像に影響を与えることなく、無数にあるクリエイティブな可能性を最大限に活かし、必要に応じて効果を元に戻すことができます。次に Photoshop のパワーと精度を使用して画像をレベルアップさせ、ユーザー自身の期待さえ上回ることができます。」
Adobeのマニュアルから引用
画像を油絵っぽく加工
今回は上記の新機能である「生成塗りつぶし」機能を使って人物が写された画像を油絵のように加工してみたいと思います。
今回使用する画像はこちらです。
おなじみ、pixabayさんからお借りします。
https://pixabay.com/photos/fisherman-old-man-net-senior-5970480/
いい感じの写真です。遠くを見つめる眼差しの先に何を思っているのでしょうか。映画のワンシーンのようです。suhkryfoto017さんありがとうございます。
Photoshopで開く
さっそくPhotoshopで開いてみます。
生成塗りつぶしを行うには、まず選択範囲を指示する必要があります。選択範囲(点線で囲まれる範囲)が決まると画像の下にある「コンテキストタスクバー」に「生成塗りつぶし」が現れ、プロンプトに命令?(どのようにしたいのかを単純に示す)を入力すればよいのですが、油絵のように極端な画像変更の場合、適用量を加減しないと意図しない画像が生成されてしまいます。
選択範囲を作った初期の不透明度は100%となっており、完全にAIが100%の変更を加えてしまいますので、元の画像が全く生かされない画像が生成されてしまいます。
ちょっと試しにやってみたいと思います。
背景のレイヤーには変更が加えられませんので、コピーしましょう。
画像全体を変更するので、レイヤーパネルのサムネイルを[Ctrl+クリック]します。
すると、画像の縁に点線が現れます。選択範囲ができたので、画像の下に「生成塗りつぶし」のメニューが現れました。
クリックして、プロンプトに入力してみます。
「油絵,印象派,純粋芸術,肖像画,イラストレーション,落ち着いた色」と入力してみました。
生成の結果
書き出しはクラウドで生成されますので、ちょっと時間がかかります。
全く違う絵ができてしまいました。右に候補が各回3パターン作られますがすべて違う絵です(3回やってみました)。これはAIがプロンプトに入力した言葉(単語)をもとに作っているだけですので、この効果を元の画像レイヤー反映させるように生成するマスクを作成しないといけません。
マスクをかける
まずはレイヤーパネルのサムネイルを[Ctrl+クリック]して、画像全体を選択範囲にしておきます。
次に左のツール場並んだアイコンからクイックマスクを選択します。
すると、レイヤーパネルのレイヤーが赤く変化しますので、クイックマスクが働いていることを判別できます。
この状態で最上部のメニューから[編集][塗りつぶし]を選択します。
塗りつぶしの[内容]のダイヤログでカラーを選択します。
カラーピッカーが表示されますので、[HSB]の設定をします。Hは0%、Sも0%、Bは50%にしてみます。つまりは、画像に対しての適応量ということになります。
生成塗りつぶしを施してみます
最初にクイックマスクされたレイヤーのサムネイルを[Ctrl+クリック]します。
画像の下に現れた[生成塗りつぶし]をクリックしてプロンプトに命令(単語)を入力し、生成ボタンを押します。
結果
まだまだ、HSBの明度 (Brightness)を下げる必要がありそうです。
今度は明度 (Brightness)を30%で生成してみます。
今度は明度 (Brightness)を10%で生成してみます。
真ん中のサンプルが良かったので選択しました
バリエーションの上に生成ボタンがあります。毎回違う画像が生成されますので、納得がいくまで押してみましょう。
出来上がり
出たとこ勝負的な感じで、なかなかうまく出力できないこともあると思います。
いましばらくはこんな事もできます程度かなと自分は思っています。今後の改良と学習しだいですごく役に立ちそうなツールです。期待しましょう。