職人技というのは、だれもが見惚れるほどの境地に達したレベルのことだと思うんです。その人の所作だけでなく、技と仕事の結果にも。
私達のようにデジタルの世界に生きていると、たくさんの年月をかけて積み上げた技術が、そのプラットフォームが消えてしまうと一気になんの役にも立たなくなったりするものですが、アナログの世界では長い年月の上に向上していった技術が、とんでもないレベルに達したりするものです。
傷ついたり、壊れたりしたものを元通りにする”補修技術”も、跡形もなく補修されると感動さえします。
下の画像はパンチングレザーを補修したもの。
タバコで焼けた穴でしょうか?素人考えですと、この場合縫うかあて布を貼るなどを考えますが、100%あとが残ります。
正真正銘のbefore & after画像です。全く跡形も有りません・・・
これが布ならまだしも、レザーでこんなことできるのでしょうか???
証拠の動画はこちら
な、なるほど・・・
- 穴の境目を切ってきれいにします
- 形を透明フィルムでトレースして、同じ形のレザーを切り出して作ります
- 穴にあて布を入れ込み、接着剤を使って固定します
- 先程の穴と同じ形のレザーをはめてパテて表面をならします
- パンチの延長線を線で結び等間隔で同じ大きさの穴を空けます。
- エアブラシでまわりと馴染むように同色に着色します
この手順で、ガッツリ空いた穴が、まったく跡形もなく消え去りました・・・もはや芸術。
お次はもう少し大きな穴の補修風景もありますが、こちらも穴がどこにあったかさえもわかりません・・・
ここまで来ると見ていて快感をおぼえるほどです。何度でも見てしまう・・・