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【冬に観たくなる】秘密を抱えた4人の大人が繰り広げるラブ・サスペンスドラマ「カルテット」

先日何気なくAmazonプライムで過去に放送されていたドラマを漁っていたら、当時毎週欠かさず視聴していたドラマ「カルテット」を発見。懐かしさを感じながら視聴したのですがやっぱりめちゃくちゃ面白くてイッキ見してしまいました。(実はこれで3週目)

何度観ても飽きない、観る度新しい発見がある、そんな「カルテット」の魅力をご紹介します。

「カルテット」は2017年1月から3月まで放送された火曜ドラマで、「Mother」や「最高の離婚」、「Woman」など数々のヒット作を手掛けた人間ドラマの名手・坂本裕二さん脚本による完全オリジナルドラマです。

キャストが松たか子さん、満島ひかりさん、松田龍平さん、高橋一生さんと私の大好きな俳優さんたちばかりで、最初にドラマの予告CMを見たときはもう大歓喜でした。

あらすじ

ある日、カラオケボックスで“偶然”出会った男女4人。
夢が叶わないまま、人生のピークにたどり着くことなく緩やかな下り坂の前で立ち止まっている者たち4人がカルテットを組み、軽井沢で共同生活を送ることになる。しかし、その“偶然”には、大きな秘密が隠されていた……。

登場人物

巻真紀(演:松たか子)

第一ヴァイオリン奏者。かつてはプロのヴァイオリン奏者を目指していた。
声がかなり小さい。極度の心配性、ネガティブ思考、そして自分に自信が無い。
緊張すると、より不安になるような動画を見てしまう。しかし、時折お茶目で、誰もが驚くほど大胆になる時がある。

世吹すずめ(演:満島ひかり)

チェリスト。無職。
人類最大の発明は神でも言葉でも数字でもなく“布団”だと思っている。トイレでも床でも、どこでも寝てしまう。二度寝こそが人生最大の幸せ。すずめにとっては、チェロだけが家族であり友達。

家森諭高(演:高橋一生)

ヴィオラ奏者。
軽井沢の美容室に勤めているが、資格は持っておらず、30半ば過ぎにしてアシスタント。相当モテるが、それ以上にモテたいと思っている。しかし、モテ期は早ければ三時間、遅くて三日で終了する。それは、妙に理屈っぽくて、めんどくさく、器が小さいから。
何を始めても、前に進めない。大人になれない。こだわり満載の一風変わった男

別府司(演:松田龍平)

第二ヴァイオリン奏者。「ふくろうドーナツ」の社員だが、実は甘いものが苦手。
人生において一度も怒ったことがないため、自由人に憧れている。
カラオケボックスで出会った3人に、「カルテット(弦楽四重奏)を組もう」と提案。世界的指揮者である祖父が所有する軽井沢の別荘を共同生活の場として提供する。

坂本裕二ワールド全開「名言」の数々

このドラマの魅力の1つといえば坂本裕二さん独特の言葉遊びが光る「名言」の数々。
あたたかくなるものからグサッと刺さるものまで、色んな意味で心にずっと残り続けるような「名言」が沢山出てきます。

来杉有未「告白は、子供がするものですよ。大人は誘惑してください。」

4人が演奏するライブレストラン「ノクターン」のアルバイト店員・来杉有未が、告白が苦手と言うすずめに対して言ったセリフです。

来杉有未「誘惑はまず、人間を捨てることです。だいたい3つパターンがあって、猫になるか、虎になるか、雨に濡れた犬になるか。」
そこで「猫」を選んだすずめに有未はこう教えます。

「キスしちゃったら駄目ですよ。いつキスしてもおかしくないぞの距離を作るまでが女の仕事です。ペットボトル一本分の距離を保ってください。女からキスしたら男に恋は生まれません。」

このセリフ凄いですよね・・・。なんちゅうテクニックだ!と感心してしまいました。
恋愛マスターな有未のこのセリフ、是非とも参考にしたいですね。
残りの「虎」「雨に濡れた犬」のなりかたも聞いてみたかった!

巻真紀「泣きながらご飯食べたことがある人は生きていけます。」

ある日、すずめに父が危篤だという報告が入ります。そんな状況なのに知らないふりをするすずめ。
というのも、幼い頃に、「魔法少女」としてテレビに出演し、超能力者と偽って活動する父のイカサマを手伝っていたという過去があり、その過去のせいで、就職先でいじめられたり行く先々で自分の居場所を失くすという辛い思いをしていました。

その過去を知った真紀は、ありのままのすずめを受けとめます。

「わたしたち、同じシャンプー使ってるじゃないですか。家族じゃないけど、あそこはすずめちゃんの居場所だとおもうんです。」
泣きながらカツ丼を食べるすずめをチラッと見ながら冒頭のセリフを言うんですけど、この真紀の優しさがジーンと染みて涙が止まりませんでした。

どんなに辛いことや嫌なことがあって、泣いても明日を生きていく。「生きていける」という言葉が力強くてあたたかいセリフです。

家森諭高の迷言

理屈っぽくてめんどくさいちょっと変わった男、家森諭高。
彼が度々展開する「迷言」もこのドラマの魅力の1つです。当時SNSでも多くの反響を呼びました。

唐揚げにレモン

「唐揚げにレモンかけたい人がいるのは当然です。ダメって言ってるわけじゃないよ。
別府くん、唐揚げは洗える?
レモンするって事はさ、不可逆なんだよ。二度と元に戻れないの。」

唐揚げに勝手にレモンをかけられたことに対して言ったセリフで、家森さんの「迷言」のなかでも有名なセリフです。レモンをかけられただけでここまで熱く反論できるなんて家森さんくらいですよ。こだわりの強さを感じますね。さらに反論は続いて、

「レモンするかどうか聞くっていう文化にはさ、2つの流派があって。

わかりますよね?君たち、レモンかける時、聞くとしたらなんて聞く?

「『レモンかけますか?』『あ、はい。』かけるの当たり前みたいな空気生まれて、全然大丈夫じゃないのに、あ、大丈夫っす。ってなるでしょ?これ、脅迫ですよ?こっち防戦一方です。」

このレモンするかどうかを“文化”と言って熱く反論する家森さんにSNSでは共感する声も多数あがっていました。

みなさんは唐揚げにレモンかける派ですか?

行間案件

「言葉と気持ちは違うの。「こんなのデートじゃないんだからね!」っていうのはデートでしょ?

『絶対怒らないからホントの事言って。』ってホントの事言ったらめっちゃ怒られるでしょ?

それが行間!!

『連絡しますね。』っていうのは連絡しないでね。って意味でしょ?」

このセリフには納得というか、なるほど~となりました。
ちなみに、遊びに誘われたけど行く気がないとき「行けたら行く」なんて言葉を使いがちなんですが、これも行間案件らしいです。

冬の軽井沢に響く美しい“音”

劇中、演奏シーンが度々登場します。楽曲はクラシックの名曲からゲーム音楽までさまざま。
その実際の演奏を担当しているのが、QUARTET PAPAS(クァルテットパパス)のみなさんです。
「カルテット」は物語だけでなく、音楽も楽しめます。

QUARTET PAPAS(クァルテットパパス)

第一ヴァイオリン 粟津惇

第二ヴァイオリン 青山英里香

ヴィオラ 武田麻耶

チェロ 奥村景

2012年、桐朋学園大学の同期生で結成。
クラシック音楽と共に、映画、ゲーム音楽、プログレ、アイリッシュ。メンバーの好物をあらゆる方面から探し出し、オリジナルアレンジを基本にレパートリーを広げている。
定期コンサートの傍ら、アウトリーチコンサートツアー、アーティストのレコーディング、現代曲初演など精力的に活動中。

最後に・・・

豪華俳優陣×坂本裕二さん脚本の魅力的なドラマ「カルテット」。
雪景色が綺麗な冬の軽井沢を舞台に、4人の恋や秘密、嘘が入り乱れる大人のほろ苦ラブ・サスペンスドラマとなっています。物語のまさかな展開に目が離せません。
この冬にぴったりなドラマをみなさんもぜひ観てみてください!

 

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