結論から申し上げます。 「本場のタイ料理」が食べたいなら、迷わずここに行くといいですよ。
変に日本人好みにアレンジされたマイルドな味でもなく、 かといって、過剰に演出されたエスニックでもない。
JR錦糸町駅から少し歩いた路地裏。 そこにあるのは、お洒落でも何でもない、ただの「タイの食材屋」です。
期待値を裏切るその「佇まい」こそが、本物の入り口でした。
レストランらしからぬ、お洒落でも何でもない外観
見てください、この圧倒的な「レストランらしからぬ」佇まい。

看板には「タイ国輸入食材販売」の文字。
「え、ここに入っていいの……?」と一瞬足が止まるかもしれません。

店内は、まさに「スーパーの中にテーブルを置いてあるだけ」という潔いスタイル。
ぎっしりと並んだナンプラーやタイの調味料の棚に囲まれながら食べるこの感じ・・・。
なかなか斬新・・・。
850円のチャンビールと、本場の「ムーナムトック」
お酒、何にしようかなと思いましたが、甘くないお酒の選択肢は、タイビールのみでした。
正直に言うと、私、ビールはあんまり得意じゃないんです。
得意じゃないけどしょうがない。いつもタイで飲んでいる「チャンビール」にしました。
1本850円。
タイ現地なら大瓶100バーツ(約500円)くらいなので、まあまあ許容範囲です。
そして、運ばれてきたのがムーナムトック(豚肉のハーブ和え)。

一口食べて、確信しました。 「あ、これ本場の味だ」 しっかり辛い。でも、それ以上にハーブの香りが強烈で、煎り米の香ばしさがしっかり染みている。 ビールが苦手なはずなのに、このスパイスと合わせると、不思議と喉を通っていくのが不思議です。
理性と本能の戦い。450円の「カオニャオ」
このムーナムトックがあまりに美味しかったので、ここで「カオニャオ(もち米)」を注文。

写真左奥のぼやけてるやつですね。
本当はね、注文したくなかったんですよ。お腹がいっぱいになってしまったら、他のものが食べられなくなっちゃうじゃないですか。 でも、ダメでした。「これをムーナムトックと一緒に食べないなんて、もったいなさすぎる」。その本能に勝てず、つい注文。
ちなみにタイなら10バーツ(約50円)のカオニャオが、ここでは450円。 「だいぶ高くなったな……」と思いつつも、一口食べればその価値は十分。この組み合わせ、正解すぎました。
満腹を超えてきた「プーニム・トード」

脱皮したての柔らかいカニを、丸ごと揚げた一皿。
外側はサクサク。中は、驚くほどふわふわ。
満腹なはずなのに、気づけばバリバリと食べてしまう。やっぱり、頼んでよかった。
帰りにはタイの食材を購入
お会計の前、スーパーの棚を物色して、お宝もゲットしてきました。

滅多にお目にかかれない「生のコブミカンの葉(バイマックルー)」と、海老のペースト「カピ」。 お店の人に「よく洗ってから冷凍しておくといいよ」と教わったので、今も自宅で大切に使っています。 コブミカンの葉を一枚入れるだけで、いつもの料理がグッと本場の香りに変わるんです。
正直、ずっとタイに行きたくて「タイロス」状態だった私。 でも、日本にいながらにしてこの味に出会えるなら、その寂しさも少しだけ薄れます。
次はもっとお腹を空かせて、さらにディープなメニューを攻めに行きたいと思います。
「レストランに行った」というより、「タイの日常に、ちょっとお邪魔した」。
そんな余韻に浸りながら、ナンプラーの香る袋を提げて駅へと向かう。 「本当のタイ」を探しているなら、一度、あの黄色い看板の扉を叩いてみてはどうでしょうか。