スクアレン
スクアレンという言葉をご存の方は多いと思います。
スクアレンは、サメ類の肝油から精製される不飽和脂肪酸の一種で、 体内で酸素を補給する働きを持ち、「酸素の運び屋」とも呼ばれています。 新陳代謝を活性化する効果や、血液を浄化する効果、美肌効果などがあるとされていますが、美容や健康に効果があるのかはさだかではありません。
スクアレンはサメの肝臓にある油分で、浮き袋がないサメはこの油があることで浮力調整をしていますが、人間にとって重要な物質ともなっており、免疫効果を高める「アジュバント」(抗原性補強剤)のために搾取されてきました。
今、世界中の製薬会社はCOVID-19のワクチン開発に躍起になっており202のワクチン候補のうち5つで、野生のサメから採ったスクアレンが使われています。(米ファイザーと米モデルナのワクチンには使われていないそうです。)
現在、スクアレンを目的としたサメの捕獲量は年間約300万頭といわれています。
他の調達方法はないのか?
一部の製薬メーカーは、スクアレンを調達するために、サトウキビ、オリーブ、アマランサスの種、米ぬかなどに含まれるスクアレンを使おうとしています。
植物性の素材は、研究や臨床での試験が行われているのですが、米食品医薬品局(FDA)などの規制機関はまだワクチンへの利用を認可していません。なんで・・・
米国のバイオテクノロジー企業アミリスはブラジル南東部で大規模に栽培しているサトウキビ由来のスクアレンを利用し、約10ヘクタールのサトウキビ畑で10億回分のCOVID-19ワクチンに利用できるスクアレンを供給できるとしています。
私たちの健康を守るために希少な海洋生物が犠牲になっているとう現実をお伝えしました。