【映画レビュー】戦慄モルグ(遺体安置所)ホラー「ジェーン・ドウの解剖」観てみた※ネタバレあり

皆さんGWをいかがお過ごしでしょうか。
私はもちろんホラー映画を堪能しました。
そのホラー映画というのが、『トロール・ハンター』やアカデミー賞監督ギレルモ・デル・トロとタッグを組んで制作された『スケアリーストーリーズ怖い本』などでカルト的人気を誇る、アンドレ・ヴーヴレダル監督が手掛ける、超ド傑作オカルトホラー『ジェーン・ドウの解剖』


学生の頃からずっと気になっていた作品をこのGWを利用して観てみました!
さっそくですが、ご紹介していきたいと思います!

あらすじ

とある一家が惨殺された状態で発見されます。現場検証で不可解な点がいくつも発見される中、一番の謎は、事件現場となった家の地下で発見された身元不明の女性の死体でした。
遺体安置所と火葬場を営むベテラン検死官のトミーとその息子オースティンは、警察から謎に包まれた女性の死体(ジェーン・ドウ)の検死を依頼されます。
外で嵐が吹き荒れる中、二人はジェーン・ドウの解剖を進めますが、やがて予想外の恐ろしい事態に発展していき・・・。

違和感だらけの現場

冒頭は、殺人事件が起きたとある一家を警察が捜査しているシーンから始まります。
無惨に殺害された死体がいくつも転がっており、一面血まみれです。
そんな中、地下で女性の遺体が埋まっているのが発見されます。
侵入された形跡なし住人は外に出たがっていたかのように思えるそして身元不明(ジェーン・ドウ)の遺体
違和感しかない現場に保安官たちは戸惑います。

それから場面は切り替わり、二人の検死官が音楽をガンガン流しながら平然と遺体の検死をするシーンに。この二人は親子で、父のトミーと息子のオースティン。人気のない場所に佇むティルデン遺体安置&火葬場で代々続いている家業を親子二人で請け負っています。
仕事場はエレベーターで降りた地下。

息子のオースティンはガールフレンドのエマと映画を観に行く予定があるらしく、準備をします。
検死を終えた遺体をしまい、後片付けを終え、エマのところへ向かおうとすると、後ろからガールフレンドのエマが「わ!!」と驚かせてきて登場。待ちきれなくて早く来ちゃったエマが可愛らしいですが、このシーン結構びっくりさせられます笑

エマは仕事場に興味津々で、遺体を見せてほしいと言ってきます。
とても見せられるもんじゃないとオースティンは断りますが、「大丈夫!」というエマに負け、しぶしぶ見せることに。

遺体の中には足首に鈴の付いた遺体が。
これは昏睡状態か死んでいるかを区別するためのものだと父トミーは言います。

二人がエレベーターで外へ出ようとすると、新しい遺体が運ばれてきます。
そう、あの身元不明の遺体です。
こんな時間に遺体が運ばれてくるなんて緊急事態かもと考えたオースティンは、エマとの予定を延期して仕事に戻ることに。
この遺体安置所に身をうずめるつもりはないけれど、お父さんのことを支えてあげたい心優しい青年オースティン。
エマに謝り父トミーと合流します。

解剖開始

二人はさっそく遺体の情報を整理します。
4人殺されたけど関連性はなし。警察はとにかく情報が欲しいようで、今夜中に頼むと言われます。

ここから解剖シーンに入りますが、そこが本作最大の特徴!
解剖の進行に合わせて物語が展開していきます。

まず年齢は20代半ばから後半と見られ、白人。外傷はなく、瞳は灰色。
死後硬直も無く、いつ死んだのかわかりません
さらに調べていくと手首と足首が折れているのを確認しました。
外傷もなしに折れているなんて、もうこの時点でだいぶヤバい。

他にも、舌が切断されていたり、全身の皮膚は綺麗なままなのに体を開くと肺が焼け焦げていて内臓がズタズタ、という状態。

この遺体の異常さが明るみになると同時に様々な疑問が浮かび上がり、解剖を進めていくと、この遺体が何者なのか真相に近づく手掛かりを得ていきます。

解剖についての専門的な知識がなくても、親子の会話の中でここがこういう理由でおかしいという解説が入るし、私達素人でも見ただけで明らかにヤバい遺体なのがわかるので、安心して話に入り込めます。
でも解剖シーンはかな~り生々しいのでグロ耐性が無い方は気をつけて!

巧みな演出

この映画、観進めていくと演出の凄さに気づきます。
ラジオから音楽が流れるタイミングや、音の使い方が恐怖を煽っていくんですよね。
前半で遺体の足首に付いた鈴の説明をしておいて、後半に廊下でチリーンと鈴の音が鳴るシーンは鳥肌がたちました!

また、検死の結果、なにかの儀式で生贄にされたのではないかと推測した二人が、皮膚の裏全体に謎の模様を見つけた瞬間、心霊現象のオンパレード!

序盤で懸命に検死をしていた二人も心霊を前に降参状態で、科学が心霊に圧倒されていく映画的な演出に引き込まれていきます。

迫真の演技!

さらに凄いと感じたのが、ジェーン・ドウの遺体役を演じたオルウェン・ケリー
遺体役なので当然劇中は一切喋ることなく寝たきりなのですが、その遺体のなりきりっぷりがほんとに凄い。瞬きひとつせず、最後まで表情も変わることなく、人形がやってるんじゃないの?と思ってしまうくらい完璧に演じられています。
私が審査員だったらアカデミー賞あげちゃう。

最後に

本作は、遺体安置所という限られた舞台の中でありながら、様々な演出で恐怖を煽ってきます。ずっとハラハラしっぱなしで心臓がいくつあっても足りません・・・!
話の展開も演出も神がかった戦慄モルグ(遺体安置所)ホラーが味わえるのは『ジェーン・ドウの解剖』だけ!
皆さんもぜひ観てみてください。

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