【トラウマレベル】後味が悪すぎる・・・胸糞映画の金字塔「ミスト」観てみた

今回ご紹介するのは、数ある“胸糞映画”の中でもダントツで胸糞度の高い、スティーヴン・キング原作のSFホラー映画「ミスト」。深い霧に包まれた街で巻き起こる怪異と徐々に秩序を失う人々を描いた作品です。映画のラストが非常に残酷で後味が悪いので、SNSでは度々「胸糞映画」「鬱映画」として紹介され話題になっています。私もいったいどんな酷い結末を迎えるのか興味本位で観ましたが、心が潰されそうになりました！(泣)
早速ですが、見どころをご紹介していきたいと思います！

予告編がこちら

突如現れた不気味な霧

のどかな町に妻子と暮らすデヴィッドは、激しい嵐が過ぎ去った翌日、買い物へ行かなきゃと息子ビリーと隣人のアマンダを連れてスーパーへ向かいますが、その途中周りが見えなくなるくらいの濃い霧が町を覆い始めます。最初は「なんか霧濃いね～」くらいの感じで深く気にせず買い物をし始めるんですけど、この「霧」が徐々に人々をパニックへと陥れていきます。

デヴィッドやその他のお客さん達が普通に買い物をしていると、突然悲鳴が聞こえます。「なにがあったんだ？！」と店中がざわついていると、鼻血を出した男が「霧の中に“何か”いる！」と声を上げながらやってきます。そう、霧の中には正体不明の謎の化物が蔓延っていたのです。
デヴィッドたちは急いで店内に避難し安全を確保します。ここからがもう大変！

「ただの霧じゃないぞ」と店内は大パニック！
避難したはいいものの食料も十分じゃないし、人々の不安とストレスはピークに。しかも時々化物が店を襲ってきたりして、余計恐怖は倍増していきます。

そんな状況の中、宗教とかスピリチュアル系にドハマりおばさんのミセス・カーモディが「これは神が我々に与えた試練だ」とかなんとか言い出すんです。これに対して周囲は「何言ってんの？」と当然全く相手にしなかったんですが、終わりの見えない危機的状況に置かれているわけですから、まともな思考ができなくなってるのかだんだん信じちゃう人が出てくるんですよね。
そして彼女に従わない人たちに対して暴力を振るったり、挙句の果てには生贄にしようとしたり。彼女が引き起こす集団パニックにはとてもゾッとしました。

でも彼女のような人ってリアルに存在しますよね。
例えば今年1月に発生した能登半島地震、発生したのが1月1日というまさかのタイミングだったからかSNSでは「この地震は意図的に引き起こされたのでは…」と陰謀論っぽいことをつぶやいている人がいて、またそのつぶやきを面白がる人が投稿を拡散していて、SNSという枠の中ですがこういう人が実際にその場にいるとミセス・カーモディみたいな混乱を引き起こしてしまうのかなと感じました。

本当に怖いのは

この映画って数メートル先も見えない深い霧とか霧に潜む正体不明の化物の存在が怖いだけかと思いきや、実はそうではないんですよね。デヴィッドたちがスーパーに避難しそのまま閉じ込められる。ここからが物語の真骨頂かなと思います。
冷静にリーダーシップを取るデヴィッドと、狂信的な行動で不安を煽る人や恐怖で理性を失い始める人々。
不気味な霧や化物よりも、店内に避難した人たちそれぞれの関係性や集団心理など、人々の恐怖心がエスカレートしていくとこんなふうになっちゃうのか…と人間の怖さを感じるシーンが沢山ありました。

最後に

最終的にデヴィッドは息子と隣人さん、老夫婦を連れて混乱状態のスーパーから脱出し、車で逃げようとするのですが、なんと途中でガス欠状態に。外には化物がいていつ襲ってくるか分からないという絶体絶命な状況。そんな時デヴィッドが下した決断とその後の展開が本っ当にショッキング…！
ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、「これは胸糞映画と言われるだけある」と納得してしまいました。

鑑賞後は、もし自分がデヴィッドの立場だったらどんな行動をとっていたか、どんな選択をしていたか、かなり考えさせられました。きっと観た人によって様々な感想を抱くと思うのですが、人間の内面が深く掘り下げられていたり、リアルな心理描写が際立っていて、個人的には一度観たら忘れられない、面白い作品だなと思いました。しかし積極的におすすめできる作品ではないですね…！

気になった方、まだ観たことが無い方は、ぜひ“精神的に余裕のある時”に鑑賞してください。