ウッドショック
今年に入り世界的な木材価格が高騰し、建設業界や林業事業の業界では、1970年代の石油ショックになぞらえ「ウッドショック」がおきたと大騒ぎとなっています。
米国では超低金利政策で住宅の需要が急上昇しています。
以前は北米の木材が虫害の発生に加え、不況でもあったので供給自体は減っていたのですが、どうやらここにも例のウィルスの影響があるようです。
アメリカは日本以上にテレワークが進んでおり、仕事場のある都心近くにアパートを借りる必要がなくなりました。リモートで仕事をするのであれば都心に住む必要は全くありません。ネットさえあればよいのです。
中国でも
例のウィルスを抑え込んだとしている中国でも同じように住宅の需要が増え続け、世界中の木材を高値で、しかも大量に買い付けています。
ついでにコンテナ不足
住宅業界が震撼
2021年3月ごろに影響が顕在化しています。日刊木材新聞社の調査によると、ベイマツ乾燥材正角の4月の販売店価格は7万8000円/m3で、半年間で44%も上昇しているそうです。
住宅会社からは「木材が現場に届かず、4月末の着工を延期した」「工事請負契約を済ませた住宅7棟分の製材費の損失が、350万円に達した」といった話も聞かれるそうです。
梁(はり)が足りなくなる
もともと、北米産の松などの輸入材を利用することが多い部分で、国産材の生産量も限られている構造材です。構造計算にも関係する部材なので、設計上も代替が効かないところでもあります。
国産材はどうなってるの?
「じゃあ、国産材を使えばいいじゃないの?」、と思うのが普通だと思いますが、そうはいかないのが日本の林業の実態です。
長年外材に苦しんできた日本の林業、今こそチャンスと考える事もできなくはないですが、次の伐採を山主と契約すれば当然高値となるわけですが、人員や機械の手配、山から木を搬出するためには林道の整備も必要です。木材を市場に出すまでに少なくとも数ヶ月はかかります。その頃にはこの木材バブルが収束して、安い価格で取引されてしまったら大赤字です。
しかも昔から林業は国などの補助金頼みで運営されています。
いつかはこの高騰も収まるのでしょうが、住宅の建設は少し様子を見た方がいいのかもしれません。