ビッシング?
ビッシング(ボイス:Voiceとフィッシング:Phishingを掛け合わせた言葉)とは、個人を狙ってサイバー犯罪者宛てに電話をかけさせ、個人や銀行口座の情報などを聞き出す詐欺行為です。
このところ自動音声を使って商材をPRしたり、アンケートの回答を求めたりするケースが増えています。しかしながら、この自動音声を使った電話連絡は、フィッシング詐欺の手法の1つになってしまっています。
大手通信キャリアの名前を騙って「料金が未納です。放置すると法的措置を執ります。すぐに連絡を」という自動音声電話がかかってくるものがあります。大手通信キャリアの名前は、実際の企業名なので信じてしまう方が多いとのことです。
その電話に反応したり、留守番電話に残っていた番号にかけ直したりしてしまうと、自動音声ではないオペレーター(詐欺師)が登場して個人情報を聞き出すという流れです。
メールによるビッシングも多く、フィッシング詐欺と同様に、大手のオンラインストアや決済システムから通常とは異なるメールが送られてくることから始まります。
例えば、偽のPayPalから「あなたの口座から多額のお金を引き落とす請求があった」といった内容です。
上記のメールでは高額な購入を知らせ、キャンセルする場合はカスタマーサポート宛に電話かメールをするようにと伝えています。
カスタマーサポート番号へ至急電話してください。
通常のフィッシング詐欺では、フィッシングメールの受信者に対して記載されたリンクから注文をキャンセルするように促すのに対し、ビッシングのメールは、記載されたカスタマーサポート番号へ至急電話させようとします。当社のリサーチャーは、サイバー犯罪者が「電話をかけさせる」手口を意図的に選択していることを強調しています。人々がフィッシングサイトを見ているときは、自身の行動を考えたり、正規のページではないことを示す兆候に気付いたりしますが、電話での会話は注意が散漫になり集中することが難しくなります。このような状況下で犯罪者は、急がせる、怖がらせる、不正な取引をキャンセルするためにクレジットカード情報を至急提供するように求めるなど、できる限りのことをして平静を失わせようとします。サイバー犯罪者は銀行口座情報を入手後、その情報を利用して金銭を窃取します。
無視が一番
通信キャリアや金融機関、行政機関などになんらかの未納があったとしても、電話口でクレジットカード情報を求められるようなことは決してありませんし。ましてや文書での督促や警告の書類を確認していない者に対して法的措置を執ることを電話で伝えることなど考えられません。
年配の方へ向けた攻撃も多くなっているようです。ご両親や高齢のご親戚などにもビッシング詐欺について話してみては如何でしょうか。