給湯器点検の不審電話に注意!アポ電強盗・点検商法の最新手口と対策

 

「給湯器の無料点検です」という電話、出ていませんか

「ガス会社から委託されて給湯器の無料点検をしています」

こんな電話や訪問を受けたことはないでしょうか。2024年後半に首都圏で相次いだ強盗事件をきっかけに注目された「点検を装った不審電話」ですが、2026年になっても状況は改善していません。むしろ神奈川県の発表では、点検商法に関する消費生活相談が2年連続で過去最多ペースを更新しています。

この記事では、給湯器点検を口実にした不審電話・訪問の最新手口、アポ電強盗との関係、そして今すぐできる対策を、警察庁・国民生活センターなどの公的データをもとに整理します。

給湯器点検を装う不審電話とは

給湯器点検を装う不審電話とは、ガス会社や自治体の委託業者を名乗って電話や訪問で近づき、家族構成・資産状況・在宅時間などの個人情報を聞き出す手口です。国民生活センターによると、給湯器の点検商法に関する相談は2023年度に前年同期の約3倍に急増し、契約当事者の7割以上を70歳以上の高齢者が占めています。

典型的な手口は次の3パターンです。

  • 点検を口実にした情報収集:「無料点検をしている」と電話し、住所や名前、在宅時間を確認する
  • 不安をあおる訪問販売:実際に訪問して「このままでは壊れる」「交換が必要」と不安を煽り、高額契約を迫る
  • アポ電強盗の下見:家族構成や資産状況を聞き出し、後日強盗に及ぶための情報収集を行う

2024年8月から10月にかけて、一連の強盗事件が発生した東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の1都3県では、給湯器や関連設備の点検を名目とした電話の着信件数が明らかに増加していました。特殊詐欺対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社の調査では、給湯器関連以外にも、不用品買い取りやリフォーム工事の事業者を名乗る不審電話が複数確認されています。

© tobila.com

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手口は給湯器だけでなく分電盤・太陽光発電にも拡大

2026年時点で特に押さえておきたいのが、対象設備の拡大です。国民生活センターは給湯器に続き、分電盤(2025年1月発表、2024年度に相談急増)、太陽光発電システム(2025年6月発表)についても同種の点検商法への注意喚起を行っています。神奈川県の2026年6月更新の情報でも、給湯器・分電盤・屋根などの点検商法に関する相談が「昨年度に引き続き今年度も過去最多のペースで増加している」と報告されています。

さらに、国が実施する給湯省エネ事業などの補助金制度を悪用する手口も確認されています。「今なら国の補助金で実質無料になる」「補助金を受けるには指定業者の点検が義務」といった口実で訪問するケースです。公的機関が特定の業者に家庭訪問での点検を委託することはありません。

【最近報告されている口実の例(国民生活センター・自治体発表より)】

  • 「自治体から委託された」「契約中のガス会社から依頼された」と身分を偽る
  • 「保証が切れているので更新が必要」と、実際は保証期間内なのに更新費を請求する
  • 「今なら補助金で実質無料」「補助金の受給には点検が義務化された」と偽る
  • 「このままでは壊れる」「早く交換したほうがよい」と不安をあおる

アポ電強盗の最新動向【警察庁データ】

警察庁の発表によると、令和7年(2025年)の特殊詐欺の認知件数は27,832件(前年比+6,789件、+32.3%)、被害額は約1,423.1億円(前年比+704.3億円、+98.0%)で、前年に比べ認知件数・被害額ともに著しく増加しました。

住所・氏名・資産状況などを電話で探る「予兆電話(アポ電)」の件数も増加しています。令和7年上半期の予兆電話は165,292件(前年同期比+93,834件、+131.3%)で、月平均27,549件にのぼりました。

2025年に特に増えたのが、警察官などを名乗って現金をだまし取る「ニセ警察詐欺」です。令和7年の認知件数は11,014件で、特殊詐欺全体の39.6%を占めています。給湯器点検を装う手口とは別系統ですが、「公的な立場を装って個人情報や資産状況を聞き出す」という構造は共通しており、家庭に電話がかかってくること自体への警戒は変わらず必要です。

なお、令和8年(2026年)5月末時点の暫定値でも、認知件数18,067件・被害額1,514.7億円で前年同期比プラスとなっており、増加傾向は2026年も続いています。

不審な電話・訪問への対策

国民生活センターや警視庁が推奨する対策は次の通りです。

  1. 電話や訪問で点検を持ちかけられても、その場で承諾しない:契約中の業者かどうか、公式の電話番号に自分からかけ直して確認する
  2. 訪問された場合はドアを開けずインターホン越しに対応する:家の中に入れない
  3. 「今すぐ契約すれば割引」といった急かす言葉には応じない:即決を求める勧誘は要注意のサインです
  4. 契約してしまってもクーリング・オフを検討する:不安な場合は消費者ホットライン「188(いやや!)」に相談する
  5. 離れて暮らす家族と情報を共有する:特に高齢の家族には、事前にこうした手口があることを伝えておく

すでに契約してしまった場合や、不審な電話・訪問について相談したい場合は、最寄りの消費生活センター(消費者ホットライン188)や警察相談専用窓口(#9110)に連絡してください。

まとめ

給湯器点検を装う不審電話・訪問は、2024年の首都圏強盗事件をきっかけに注目されましたが、2026年時点でも件数は減っていません。対象は給湯器から分電盤・太陽光発電へと広がり、補助金を口実にした新しい手口も出てきています。「点検します」という電話や訪問には、その場で応じず、まず公式窓口に確認する。この一手間が、情報収集を目的としたアポ電やその先の強盗被害を防ぐ最初の防衛線になります。

FAQ

Q1. 給湯器の点検を名乗る電話がかかってきました。どう対応すればよいですか? A. その場で住所や名前、家族構成などの個人情報を答えないでください。契約している業者かどうか不明な場合は電話を切り、給湯器のメーカーや契約中のガス会社に自分から確認しましょう。

Q2. 訪問業者が「無料点検」を持ちかけてきた場合は? A. ドアを開けずインターホン越しに対応し、点検の予約をしていないことを伝えて断りましょう。実際に存在するガス会社名や自治体名を装うケースもあるため、名乗られた組織に直接確認するまでは家に入れないことが基本です。

Q3. 給湯器の点検商法とアポ電強盗は同じものですか? A. 同じ手口とは限りませんが、いずれも「点検や公的な立場を装って電話や訪問で個人情報・資産状況を聞き出す」という共通点があります。2024年の首都圏の事例では、点検電話の増加と強盗事件の多発が同じ時期・地域で確認されました。

Q4. すでに給湯器の交換契約をしてしまいました。解約できますか? A. 訪問販売の場合、契約書面を受け取ってから一定期間内であればクーリング・オフ制度により無条件で解約できる可能性があります。消費者ホットライン「188」または最寄りの消費生活センターに相談してください。

Q5. 分電盤や太陽光発電の点検商法も同じ対策でよいですか? A. はい。国民生活センターは給湯器だけでなく分電盤・太陽光発電システムの点検商法についても同様の注意喚起を行っており、対策の基本(即決しない・自分から確認する・不審な場合は188に相談する)は共通です。

Q6. アポ電強盗の被害は2026年も増えていますか? A. 警察庁の暫定値によると、令和8年(2026年)5月末時点の特殊詐欺認知件数は18,067件で前年同期比プラスとなっており、令和7年に続き増加傾向が続いています。

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