新型コロナウィルスの影響が長期化し、日に日に重症患者が増え続ける中、医療従事者への負担は想像を絶するものがあります。
声明文
2020年12月10日、日本看護管理学会はウェブサイトに『ナースはコロナウイルス感染患者の最後の砦です』と題し、このように国民に呼びかけています。
❝ 「国民の皆さま、ナースが危機を迎えています。コロナウイルスに感染した患者さんの最も近くにいるのはナースです。この長期戦の中、ナースは身も心も疲弊してきています。
コロナウイルス感染患者が増加すると、看護管理者は、一般の病棟を一旦閉じてコロナ対応病床にナースを移動させるしかありません。ナースたちは、今まで自分が看護してきた患者を同僚に預け、コロナ病棟に向かいます。ナースは 防護服を着ているとはいえ、患者の頬に付くくらいに顔を寄せ患者の声を聞き、孤独に苦しむ患者の手を握り、時には尊厳ある死を迎えられるように寄り添います。ナースは、家族も面会できない患者の一番身近くで、患者の生命と生活を守るのです。」❞-日本看護管理学会 janap_20201210.pdfより引用-
変わらぬ差別と偏見
感染者発生からもうすぐ1年になろうとしています。看護師は新型コロナウイルスの本格的な感染拡大が始まった春以降、専門職としての使命感から数か月にわたり看護の仕事に携わってきました。ですが、未だに看護師らに対する偏見や差別はあとを絶ちません。
❝ 「私たちは、看護の専門職として使命感で、コロナウィルス感染患者の看護にもう何ヶ月も携わっています。自分自身の感染の危険性と私生活、自分のキャリアに目を瞑り、時には自分の家族にも仕事の内容を隠し、コロナウィルスに感染した患者さんを看てきました。
私たちは自分の仕事を全うするだけですので、感謝の言葉は要りません。ただ看護に専念させて欲しいのです。差別や偏見はナースに対してフェアな態度でしょうか?なぜナースたちは、看護していることを社会の中で隠し、テレビに出るときにはモザイクをかけなければならないのでしょう。これでは、潜在しているナースも復帰をためらいます。」❞
-日本看護管理学会 janap_20201210.pdfより引用-
お願い
最後に「私たちナースがコロナウイルス患者とともに歩き続けられるように助けていただきたい」と国民へ3つのお願いを呼びかけています。
- 皆さまには、ご自分の健康と医療現場を守るため、なお一層の慎重な活動をしていただきたい。
- 医療専門職として、感染予防には留意しております。私たちを偏見の目で見ることはやめていただきたい。
- また、もしも一旦仕事から離れている私たちの仲間が、看護の仕事に戻ってこようと思うときには、周囲の方にはぜひご理解いただき、この窮状を救う意志のあるナースを温かく送り出していただきたい。
新型コロナウイルスの感染患者にとって、看護師はまさに”最後の砦”と言えます。
私たちには今、自身の健康と併せて、その”砦”を守る行動が求められているのではないでしょうか。
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■国民すべてが目を通すべきです。