飛び石・物価高・年代差が重なった調査データを読み解く
「ゴールデンウィークはどこかへ出かけるもの」——そんな常識は、今や少数派かもしれません。
2025年のGWを前後して複数の調査機関が実施したアンケートで、共通して浮かび上がった数字があります。
6割前後が「自宅で過ごす」。
単なる話題として見過ごせないのは、この数字の背景に複数の構造的な要因が重なっていることです。この記事では、アンケートデータを軸に「なぜ今年のGWはここまで静かなのか」を読み解きます。
調査概要:20〜60代男女へのアンケート結果
今回紹介するデータは、20歳から69歳の男女を対象にネットアンケートで収集したものです。
質問は「今年のGWはどのように過ごす予定ですか?」で、選択肢は以下の9項目です。
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国内旅行
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海外旅行
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実家に帰省
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近場に日帰りで出かける
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自宅で過ごす
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GWのイベントに参加する
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友人・知人に会う
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仕事をする
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その他
結果として、最多回答は「自宅で過ごす(64.0%)」。次いで「近場に日帰りで出かける(25.2%)」「国内旅行(18.0%)」と続きました。

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なお、ぐるなびリサーチ部の調査でも同様の傾向が確認されており、2025年は「自宅で過ごす」が「外食」と僅差で1位となり、2024年・2023年と逆転する結果 となっています。
なぜ2025年は特に「自宅派」が多いのか——3つの背景
1. 飛び石連休による計画しにくさ
2025年のGWは4月29日(昭和の日)が飛び石になる構造で、連続した大型連休を確保しにくい日程でした。
今年のGWが飛び石連休であることから、長期旅行の計画を立てにくいと感じている家庭が少なくないことが考えられます。
宿泊旅行は連続した休みがあってこそ計画しやすいもの。カレンダーの構造が、最初から旅行の動機をそいでいたと言えます。
2. 物価高・旅行費の高騰による出費への警戒
円安とインバウンド需要による観光地の価格高騰も、大きな抑制要因です。宿泊費・飲食費・交通費のどれをとっても、数年前より明らかに割高になっています。
GW中の外食にかける1食1人あたりの平均予算は約5,500円で、2024年より約800円のダウン しており、節約志向が数字にも表れています。
3. 「予算を抑えて楽しむ」意識の定着
「予算を抑えてできる範囲で楽しみたい」派が55.6%とやや多数派 という結果も出ています。これはGW特有の話ではなく、生活コスト全体への意識変化の表れとも読めます。
年代別:20代と30代以上で明確な分断
年代別に見ると、GWの過ごし方は大きく二極化しています。
| 年代 | 自宅で過ごすと回答した割合 |
|---|---|
| 20代 | 41.0%(最もアクティブ) |
| 30代 | 60%以上 |
| 40〜60代 | 70%以上 |
20代が旅行やお出かけに積極的なのは、ライフステージによる身軽さが大きいでしょう。一方で30代以上では、子育てや家計の管理、疲労の蓄積などが複合的に「家で過ごす」選択を後押しします。

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この傾向は別調査でも裏付けられています。20〜30代では「予算を気にせず好きなことを楽しみたい」派が過半数となり、若年層のアクティブな動きが期待されます。
地域別:北海道・東北は例外的にアクティブ
居住地域別に見ると、全地域で「自宅で過ごす」が60〜70%前後で最多でした。
ただし北海道・東北は例外的で、「近場に日帰りで出かける(29.4%)」「国内旅行(31.4%)」と他地域より高い数値を示しています。

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5月は北海道にとって春の始まりの時期であり、観光需要が高まる季節的なタイミングが影響していると考えられます。地域性と季節性が組み合わさった結果と言えるでしょう。
未婚・既婚:行動パターンも理由も異なる
婚姻状況による差も注目です。
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既婚者:「近場に日帰りで出かける」「実家に帰省」が多い
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未婚者:「仕事をする」「友人・知人に会う」が多い

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既婚者、特に小さな子どもがいる家庭では、何かあったときにすぐ帰宅できる近場を選ぶ傾向が見られます。一方、未婚の社会人がGWに仕事をする理由には、キャリア形成への意識と、周りが休んでいる時間を有効活用する合理的な判断の両方があるかもしれません。
「おうちGW」を充実させるという新潮流
自宅派が多数を占める今、「どう家で過ごすか」を積極的に設計する動きも広がっています。
GW中の家での過ごし方は、「テレビや映画、動画を見る(60.2%)」「ゆっくり寝る・ごろごろする(50.7%)」がトップで、「家事をこなす」も48.0%と半数に迫りました。
ふだん手が回らない大掃除や収納整理、読み積んでいた本、挑戦できていなかった料理——「おうちGW」は、忙しい日常では後回しにしていた時間を取り戻すチャンスにもなっています。
まとめ:「自宅が6割」は消極的な選択ではない
今年のGWが静かに感じられるとすれば、それは飛び石連休・物価高・世代ごとの事情が重なった必然の結果です。
ただ、「自宅派」が多いことを単純に「節約」「我慢」と読むのは早計かもしれません。人混みを避け、疲れをとり、家族や自分の時間を丁寧に使う——それもまた一つの豊かなGWの過ごし方ではないでしょうか。
来年のGWがどんな暦になるか、そして物価や社会の状況がどう変わっているか。データの変化とともに、私たちの「休日の選択」も少しずつ変わっていくはずです。
調査出典:株式会社For it(20〜69歳男女対象)