我が家の中学2年生の一人息子は、小学6年生の2学期末から3学期にかけて保健室登校をしていました。今は、友人にも恵まれ部活に熱中したりと中学校生活を楽しんでいますが、当時を振り返ると、息子・学校の先生方・私たち両親、それぞれが悩み苦しんだ時間でした。これから記すことは我が家の記録であり、現在不登校や保健室登校で悩んでいる人たちの解決策にはならないかもしれませんが、母としての私の反省も含めまとめてみました。

家族構成・息子の性格

我が家は、父(自営業)、母(筆者・当時は週3日のパート)、そして息子の3人家族です。人口約2万5千人の農業や観光業が盛んな自然豊かな地方都市に住んでいて、両親と3人暮らしのいたって普通の男の子です。息子は活発な性格で人前で何かをすることも嫌いではなくむしろ好きな方で、小学校の運動会の応援団長や学芸会の主役などを自ら立候補してやるぐらいでした。一人っ子ということで、マイペースで少し協調性に欠ける部分もありましたが、親から見ても普通の小学6年生の明るい男の子でした。体を動かすことが好きで、スポーツの習い事もしていました。

 

きっかけは下校中の言い争い

11月のある日、息子が元気なく学校から帰ってきました。いつもより時間も遅く、帽子が濡れていて、顔色も悪く泣いたようにも見え、明らかに何かあった様子です。
心配になって尋ねたら、「もう学校行きたくない・・・」と弱弱しく言葉をやっとしぼり出すように答えました。

詳しく話を聞くと、息子を含め5人の男の子の友達と下校中に好きな女の子の話になり、そこで息子1人が他の4人にからかわれ、悔しくて息子は泣いてしまったそうです。帽子が濡れていたのは用水路に帽子をわざと落とされたせいで、他の4人は息子を置いて走って帰ったとのこと。トラブルが起きた場所がちょっとした公園のような広場だったんですが、一人取り残された息子は、そこにあるベンチでしばらく寝ていたと言うのです。「寝ていた」というのがあまりに非現実的すぎて困惑しましたが、他に目撃者もなく息子の話を信じるしかありません。(後で判るのですが、この「寝ていた」ことは、精神的にショックすぎて記憶を消し去ろうとする失神に近いような状態だったそうです。)

私は、「明日学校に行って先生に相談しておいで。何かあったら保健室に行ってもいいからね。頑張ってみよう。」とアドバイスしました。その日の夜は食欲もあり、いつも通りの夜を過ごしました。

不登校になるのではという親の不安

不登校翌日、一晩寝たら少し落ち着いたようで、念のため担任の先生へ昨日のことを連絡帳に記し、いつも通りに学校に歩いて登校しました。しかし、昼過ぎに携帯が鳴り、担任の先生からで「今日は途中から保健室に行っていて、気分が悪いので迎えに来てほしい」と連絡がありました。

今思えば、この日は学校を休ませればよかったと後悔しています。なぜ、私が息子を次の日学校に送り出したのか、それは、これをきっかけに息子が不登校になるのが怖かったからです。一度学校を休んでしまうと二度と行けないようになるんじゃないか、最悪引きこもりになるんじゃないかと不安でした。更にこの時は、数日経てば落ち着いてまた元気に学校に行ってくれると楽観視していました。

連絡を受けその日は仕事が休みだったのですぐに迎えに行き、担任の先生は授業中だったので保健室の先生から様子を聞きました。2時間目まではクラスで過ごしていたが、途中から気分が悪いと保健室に来て、それからずっとベッドで寝ていたそうです。迎えに行ったときは、保健室で遅めの給食を食べていました。食欲がなくほとんど残していて、しょんぼりしている様子です。
夜、担任の先生から電話があり、息子が帰った後に一緒に下校していた4人の男の子達から話を聞いて、それについては注意をしてくれたそうです。
その日は金曜日で、「週末ゆっくり過ごして、また月曜に来れそうだったら来てください」と言われ、息子にも直接電話で話をしてくださり、息子も少しほっとした様子でした。

保健室登校始まる

保健室

週明けの月曜日、週末ゆっくり過ごしたことで少し元気を取り戻した息子は「学校に行ってみる」と言い、いつも通り歩いて登校しました。しかし、また下校中にトラブルになるのが私も心配だったので、帰りは迎えに行く約束をしました。

下校時刻に小学校の駐車場で待っていると、息子がやってきました。元気がない様子で、今日も途中から保健室に行っていたとのこと。トラブルになった友達とクラスで過ごすのが苦痛だったらしく、元気がなかった様子を見た担任の先生が保健室で過ごしてもいいよと言ってくれたそうです。

頑張って学校に行ったことを褒め、辛いときは保健室に逃げてもいいんだよと伝え、次の日も学校には行ってくれましたが、やはり1日保健室で過ごしたと担任の先生から夜電話がありました。

このまま保健室登校を続けるのか、学校を休ませたがいいのか悩んでいましたが、なんとインフルエンザで息子のクラスが学級閉鎖になりました。思いがけず学校に行かなくていい時間を過ごすことで少し落ち着いたのか、次の登校日には学校へ行ってくれました。しかし、その日も途中から保健室に行ったそうで、2学期の終業式までの数日は、ほとんどを保健室で過ごすようになりました。

こうして、息子の保健室登校が始まりました。

 

次回は、息子が教室に入れなかった理由や、スクールカウンセラーとの面談、フリースクールの選択肢や親子の信頼関係などをお伝えします。

 

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