【司会者は見た!】結婚披露宴の裏側やハプニング・感動話あれこれ①

これまでホテルやレストラン・料亭での結婚式を中心に100組近くの披露宴司会を担当してきた40代女性MCの備忘録。披露宴の裏側やハプニング・感動話まで、つらつらと綴ってまいります。

お色直し60分事件

披露宴は基本2時間半

披露宴は基本で2時間半、長くても3時間(私の最高記録では4時間半です)。ホテルなど1日に何組も披露宴が行われる大きな会場は、延長した場合(たいていお開きの時刻から10分以上経過になると)追加料金を取られるので、司会者にとって時間配分は大事なお仕事の一つです。時には時間が足りなくなり急遽予定していたイベントを省いたり、逆に時間が余りすぎるから追加したりと、かなりスリリング。予定時刻にお開きを告げると、本当にホッとします。

一番時間を割くのが「お色直し」

披露宴の中で最も時間を割くのが新婦の『お色直し』。一般的な挙式から披露宴の流れでは、和装①→和装②→洋装①→洋装②の4パターン。一生に1度(中には2度3度・・・)お姫様になれる夢のような1日に、どんなドレスにしようか、どんなヘアにしようか入念に準備を重ねて臨む花嫁。また披露宴の見どころでもあるので、ご家族はじめご友人などのお客様も新婦がどんなドレスで登場するのか楽しみにしています。夢が膨らむのはいいことなんですが、ここでお色直しの時間を見誤ると、大変なことになります!

またお色直しの場合、和装から洋装になる場合が一番時間がかかります。全てに当てはまるわけではありませんが、だいたいが日本髪のカツラを外し、着物を脱いで、洋装の下着を来て、ドレスを着て、髪は洋装のヘアセットを一からやってお化粧直しが一連の流れ。慣れているプロの美容師でも二人がかりで最短20分はかかります。ホテルなどの大きな会場であれば、披露宴専属の美容室が一手に引き受け、どんな花嫁のお色直しでもたいてい時間通りに仕上げてくれます。

花嫁に慣れない美容師さんだと大変なことに・・・

私がよく出入りしていたレストランや料亭では、前述のような専属の美容室が特にいないところで、新郎新婦自ら手配(お友達などの場合は、価格を安くしてくれるなどの理由から・・・)する場合もありました。それはいいのですが、美容師が披露宴に慣れていない場合は、かなり要注意!実際、余裕を見て30分取っていたお色直しが、60分かかったことがあります。そうなると、新郎もお色直し後新婦と一緒に入場するために予定通りの時間に退場させてあり、会場は主役の新郎新婦がいない状態が30分近く続くことに・・・。さすがに30分食事だけというのは辛いものがあり、食事が進んでしまい手持ち無沙汰状態に陥ります。主役二人を除いてイベントをするわけにもいかず、会場ではただただ食事が進みBGMだけが流れ「あれ?新郎新婦まだ入場しないの?」と少しざわつき始め、司会者としてもお手上げ状態に。和装から洋装のお色直しはたいてい披露宴の前半で入りますので、ここで時間を取られると後の進行に大きく響きます。実際に、60もかかってしまったこちらの新郎新婦は、後半のご歓談の時間がほぼ取れず、最後は次から次へと進行を進める慌ただしい披露宴となってしまいました。

ケンカ勃発!酔っ払いの中年おじさまが一番タチが悪い・・・

その披露宴は30代前半の新郎新婦で、新郎は家業である農家を引き継ぎ若手農業者として頑張っていらっしゃる方でした。出席のお客様も、ご家族やご友人のほかに、新郎のお仕事柄60代~70代の地域の方々もご出席でした。

新郎新婦退場中に事件発生!

事件が起こったのは、両家の挨拶・新郎新婦からの謝辞、そして出席者を代表しての締めのご挨拶(万歳や一本締めなど)があり、新郎新婦のお二人が最後にお客様のテーブルを回りながら退場するという場面でした。
新郎新婦がもうすぐお開き口に差し掛かり、「それでは本日の一番大きな拍手を新郎新婦にお送りください!」とご案内しようとしたその時、少し離れた新郎側のテーブルで男性2人が殴り合いのケンカに!

新郎のお父様・お母様がすぐさま駆け付け周りの方たちもなだめたり、また新郎新婦が退場の途中だったので会場には大音量の音楽が流れていたので、会場の全ての注目が集まっていなかったのが幸いでした。

ケンカの原因は?

披露宴は何とかお開きを迎え、ご出席のお客様が帰りの支度を整え退場されるお時間になっても、何やらまだ揉めています。

後で判ったことですが、ケンカの原因は「締めの挨拶の人選」でした。その披露宴での締めのご挨拶は、前述の新郎側のお住まいの地域の方々の中から選ばれていました。それについて「なんであいつが締めの挨拶するんだ!あいつがするくらいなら○○(もしくは俺)にやらせろ!」と面白くなく思った人がつっかかり、そこで反論されたお相手とケンカになったようです。

私から見てもかなりお酒も入ってたようで、恐らくこれまで何かと地元でも衝突してきた人たちなんでしょうね。それにしても、若い二人の門出を祝う披露宴でケンカしなくてもいいでしょうに・・・!司会者としては、最後の退場の時は新郎新婦にその日一番の笑顔で居てもらいたいのに、新婦は半泣きの状態でしたよ。きっとこれからご近所さんとしてのお付き合いをしていかれなくてはならないと思うと、本当にお気の毒でした。

中年の酔っ払いのおじさまには、皆さんどうぞお気を付けください。


今回はハプニングをご紹介しましたが、司会者としても一人の女性としても結婚披露宴が大好きです!
次回も披露宴の裏側あれこれをご紹介します♪

 

 

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