天然痘に似た症状の感染症「サル痘」の患者がイギリスやアメリカなどで報告
されていますが、アメリカの隣国カナダでも感染した疑いのある人が17人報告されまし
た。
ポルトガルやスペインでも複数の感染者が確認されていて、欧米を中心に
感染が拡大する懸念が強まっているとしています。
「サル痘」とは
ヒトのサル痘は、サル痘ウイルス感染による急性発疹性疾患である。2003年11月の感染症法の改正に伴い、新規に四類感染症に規定された。自然宿主は アフリカのリスで、サルに感染するとヒトの痘そう(天然痘)様の症状を呈する。ヒトに感染すると、重症例では臨床的に天然痘と区別できない。ヒトのサル痘 での致死率は1〜10%程度である。
臨床症状・兆候
ヒトにおけるサル痘の潜伏期間は7〜21日(平均12日)で、その後、発疹(写真2)、発熱、発汗、頭痛、悪寒、咽頭痛、リンパ節腫脹が現れる。重症例では臨床的に天然痘と区別できない。
致死率は、アフリカでの流行では数〜10%と報告されているが、2003年のアメリカ合衆国での流行では、死亡例は報告されていない。
-国立感染症研究所HPより抜粋-
例のウィルスとの共存生活に加え、新たな脅威となりそうな「サル痘」、英では市中感染発生の可能性もあるとのことです。
人類が唯一克服したとされる天然痘に似ており、現在ワクチン接種をしていない若い世代(大半はゲイやバイセクシュアルの男性)に感染しているようです。
サル痘も進化しているのでしょうか?
治療法
特異的治療法はないため、対症療法が行われるのみです。
サル痘ウイルスを含むオルソポックスウイル スにシドフォビルが有効であることが実験的に明らかになっていますが、サル痘患者への投与例はありません。
現在、シドフォビル以外にも、いくつかの有望な抗ポックスウイルス薬の開発が行われている状況で、種痘はサル痘にも有効であるが、日本では1976年以降、種痘は行われていないとのことです。