TBS系列で毎週木曜日・夜7時から放送されている『プレバト!!』。芸能人や有名人を様々なジャンルで「才能査定ランキング」してく人気番組で、中でも個人的に大好きなのが俳人・夏井いつきさんによる「俳句の才能査定ランキング」です。相手が誰であろうと一切忖度が無く、気持ちよく俳句を添削し、また時には褒めたたえる夏井いつきさんの大ファンで、よく番組も拝見してます。
ある日本屋さんで、夏井いつきさんの著書であるエッセイ『瓢箪から人生』に出会いました。
番組を拝見していて、17文字という限られた字数で表現する俳句のプロである夏井さんが、エッセイという別のジャンルでどのような日本語で想いを伝えているのかに興味が湧いて、衝動買いしてしまった本です。
この本には、1遍が数ページの読みやすいボリュームのエッセイが全45編あり、夏井さんのこれまでの人生のターニングポイントで出会い親交を深めた人たちとの心温まる、そして時には涙があふれるエピソードが綴られています。
«普通の句会では、名前を伏して互選し、選ばれた句だけが取り上げられる。『プレバト‼』の「才能ナシ」レベルの句は、誰にも選ばれない類いのものだから議論にも上がらない。そんな箸にも棒にもかからない句を添削してくれと言われ、最初は面食らった。何を言いたいのかも分からない、日本語になってない句をどう直せというのかと困惑する。本気で腹も立ってくる。極めて率直な心の動きではないか。
初回収録で、今でも鮮明に覚えているのが、目の前のモニターに映るハマダさんが、何度も何度も「俳句おもろー!」と、卓を叩きながら爆笑する姿だった。面白がってもらえると、こっちもやる気になる。テンションも上がる。
そんなこんな、第一回俳句コーナー収録を終えた私は、スタジオの照明の熱に心地よい汗もかき、昨夜の酒も抜け、おおー今夜もビールが美味いぞ! と意気揚々と楽屋に引き上げた。»
(本文より)
番組での夏井さんの語り口調と一緒でとてもテンポがいい文章で、読み進めていくと何故か夏井さんの姿と声で脳内再生されました。(いつか、この本を夏井さん本人に朗読していただきたい、そんな願望が沸いてきました。)
もちろん、これまでの活動の中で出会った俳句も数多く紹介されており、丁寧に解説もしてあるので、俳句の入門書としても十分楽しめる1冊です。もうすぐ来るGWに、読んでみてはいかがでしょうか?
『瓢箪から人生』
著/夏井いつき
定価;1485円(税込)
判型/頁:新書判/336頁
ISBN978-4-09-388866-0