2023年春、我が家のひとり息子が高校進学のため家を出ました。と言っても、自宅から車で1時間程度の夫・祖父母宅での下宿です。なので完全に子育てが終わった子離れの「卒母」ではなく、でも離れて住むことになったいわゆる「プチ卒母」状態です。
※卒母とは・・・文字通り、「母親」を「卒業すること」。進学や就職などで子どもの1人暮らしが始まって子育てが一段落したり、結婚などで法的にも扶養から外れるタイミングなどが多いようです。漫画家の西原理恵子さんが2017年に出版した、自身の“卒母宣言”となった『卒母のススメ』で話題になりました。
去年の今頃は想像していなかった「プチ卒母」。息子が家を出て数カ月が経ちましたが、思いもよらない悩みが出てきたりと、送り出した私たち両親もいまだに落ち着かない日々を過ごしています。そんな、3人家族の備忘録をお伝えします。
今回は、中3の進路決定と、引っ越しをした春休みについて振り返ります。
運命の分かれ道・中学3の進路決定
家から通える高校・通えない高校
我が家は、県庁所在地まで車で約1時間半。電車は通ってはいるものの山間部に住んでいるので、ちょっと強い雨が降ればよく電車が運休し、そうなると我が子を車で迎えに行かなくてはならないし、電車通学だと乗り換え等で時間がかかるので朝5時半の始発に乗らねばならず朝4時台に起きて弁当を作ったりしていた先輩ママたちの苦労話も知っていました。
そんな地域に住んでいるので、都市部の高校に通うには、電車ならば個人差はあるものの往復3~4時間はかかります。なので、高校進学のために家を出て下宿や寮に入るお子さんもいました。
また息子は、中学時代バレー部に入っていて引退まではバレー中心の生活を送っていました。残念ながら、バレーで高校推薦が決まるような実力は無かったのですが、高校でもバレー部に入ることは決めていたので、部活が終わって疲れた体で自宅まで2時間もかけて帰ってくる身体的負担も心配でした。
進路を決めるにあたり、成績はもちろんですが、志望する高校が自宅から「通える」のか「通えない」のかは我が家にとって大きな問題でした。
自分が行きたい高校を目指すのが一番
進路決定については、公立なのか私立なのか、家から通うのか下宿するのか、ランクを上げるのか下げるのか、色んな要因が絡み合っていました。
幸い、夫の実家が都市部にありそこに下宿することも可能で、家から出るという選択をしても一人暮らしや寮に入るわけではないのでハードルは高くはなかったです。また、祖父母との関係も良好で、祖父母達側からこっちの高校に通うなら下宿はウェルカムだと確認できていたもの心強かったです。
周りの友達を見てみると、やはり女の子だからせめて高校までは家から通って欲しいという親御さんや、またもっとランクが上の高校も行けるのに子ども本人が家から通える高校がいいからそこにした、他にもスポーツや学力推薦で県外の強豪校に進学するなど、色々なパターンがありました。中には、子どもの進学を機に、住んでいる地域から家族で引っ越すというご家族もいらっしゃいました。
息子は下宿することで、私達が寂しがること・経済的にも負担をかけることを気にしていました。親子で色々悩み何回も話し合いましたが、結局「自分が行きたい高校を目指すのが一番いい」というところに落ち着きました。最終的には、息子は興味のある英語に特化したカリキュラムが充実している公立高校を第一志望にし、合格すれば祖父母宅に下宿して通うことで三者面談でも担任の先生にもそう報告しました。受験が近づくにつれ少しずつ息子のモチベーションも上がり、とりあえず合格しないと何も始まらないので、目の前の受験に全集中すべく、塾通いや体調管理などをサポートすることにしました。
無事に合格!そして旅立ちの春・・・
春休みは思い出作り
無事に第一志望に合格した息子。これで、家を出て下宿しながら高校に通うことが決定し、合格を喜ぶ半面親としては、息子と離れる寂しさに押しつぶされそうな複雑な気持ちで合格を受け止めました。
受験勉強の反動なのか、中学卒業し春休みに入ると遊びまくっていましたね。やはり、同級生も息子と同じような理由で高校の近くに下宿したり寮に入る子も多く、これまでのように近所で一緒に遊べなくなるので、もう思いきり遊ばせました!
そして、家族旅行も行きました。実は、小6の春休みに計画していた家族旅行がコロナ禍に入り行けなかったのでその分今回は思いきり遠出したかったのですが、入学説明会や引っ越し準備など他のイベントも多かったので、近場に1泊でしたが旅行に行きました。きっと家族で旅行に行ってくれるものこれが最後なのかな・・・と思いつつ、楽しかったのですが私としてはとても切ない家族旅行となりました。
いよいよ引っ越し!早くも息子ロスに襲われる・・・
先述した通り、息子は夫の両親の家に下宿します。この家は、息子が4歳までは私たち親子も同居していた家で、息子の部屋もあり一通り家財道具は揃っているので、そこまで大掛かりな引っ越しではありませんでした。新しく買ったものと言えばベッドぐらいで、後は段ボール数箱を自家用車で2往復もすれば完全に荷物が運び出せるくらいの引っ越しでした。
春休みの週末を利用して2回に分けて引っ越しを行い、あまり早く居なくなってしまうのや嫌だったので、高校入学式直前に完全に引っ越しが完了しました。
今回の引っ越しを機に要らなくなった物も処分し、荷物が少なくなった息子の部屋を見るだけで胸が締め付けられました。「あ、もしかしてこのまま大学も遠い所に行くならば、この家で暮らすことも無いんだな・・・」と、当時を思い出しただけでも今すぐに泣けるくらいです。覚悟はしていたものの、実際にその時がやってくると想像以上にダメージが大きかったですね。意味もなくスマホに残っている小さい頃の息子の写真を見てみたり、夫と「今頃何してるかな・・・」が決まり文句になったり。
ここまで読んで頂いた方はもうお気付きでしょうが、私も夫も息子大好き親バカ夫婦なのです。(息子の名誉のためにお伝えしますが、息子は決してマザコンではありません)
次回は、そんな私たち夫婦が陥った「空の巣症候群」や「息子・高校が楽しくて仕方がない」についてお伝えします。