宇宙空間に放置された後3年生き続けた地球最強の生命体

皆さん「クマムシ」はご存知ですよね?その強烈な外観から話題になり、グッズなども販売されたキモかわいい?微生物ですが、こいつがすごくて、150度の高温から270度のほぼ絶対零度、紫外線や放射線にもつよいというものすごい生命力で、乾燥させても「乾眠」して水かけたら蘇る種もいるとかで、地球最強生物と言われています。

 

しかし、地球最強はクマムシではありませんでした。

 

現在、JAXA(宇宙空港研究開発機構)が進めているプロジェクト「たんぽぽ計画」。

これは、パンスペルミア仮説を検証するためのものですが、このパンスペルミア仮説というのは、生命が宇宙空間を渡って惑星間を移動しているのではないかという説で、これを検証するためのプロジェクトなんです。

宇宙空間を渡ってというのは、もちろんUFOに乗って・・・ということではなく、微生物がそのまま、もしくはなにかに偶然的に付着して宇宙空間を漂っていくという想定なのです。

©Tetyana Milojevic

そこで惑星間移動を生き残る可能性がある生命体がISS(国際宇宙ステーション)に運ばれることになりました。その微生物が、

デイノコッカス・ラディオデュランス(Deinococcus radiodurans)

です。
明らかに強そう・・

宇宙空間が過酷なのは皆さんご存知ですよね?クマムシも宇宙空間を生存できる微生物ではありますが、デイノコッカス・ラディオデュランスと比べると放射線に弱く、5,000グレイの放射線量で半数が死滅してしまいました(※1)。

そんななか、デイノコッカス・ラディオデュランス(長い)はそのほとんどが生存し、15,000グレイでも37%は生き残ったそうです。

ちなみに人は、4グレイで60日以内に半分が死に、10グレイだと生き残ることは不可能です。

そのデイノコッカス・ラディオデュランス(長い・・・)ですが、以前の研究で宇宙空間の強烈な温度変化と紫外線、真空の中、なんと3年間耐え続けたとのこと。表面が白化して死んでしまっていたが、死んだ細胞に守られて生存できたのだという。どうなってんの・・

 

たんぽぽ計画では、乾燥デイノコッカス・ラディオデュランスが1年間宇宙空間で曝露された。もちろん地球のものより生存率は劣るが、形を変えて適応しながら生きていました。

©Tetyana Milojevic

©Tetyana Milojevic

すごい・・・

突起物が表面に現れているのは、ストレス反応ではとみられているが、なにかしらの順応の可能性もある。

冒頭でも述べたように、これらの実験はパンスペルミア仮説を検証するためのもの。さらに研究が進んでいけば、地球の生命も宇宙由来という可能性が大きくなってくるはず。

地球だけ奇跡的に生命が誕生したという考え方自体、すでにナンセンスなのかもしれませんね。

 

研究の詳細は以下のページでご覧になれます
https://microbiomejournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40168-020-00927-5

※1 約1,000種類に上るクマムシのうち、一部は耐えられる種もある

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