7月3日から新紙幣が発行されましたが、皆さんのお手元には届いてますか?ご存知の通り、一万円札は福沢諭吉から渋沢栄一に、五千円札は樋口一葉から津田梅子に、そして千円札は野口英世から北里柴三郎に変わりました。
ここで、問題です。新たな千円札の顔となった「北里柴三郎」の苗字、今なんと発音しましたか?
キタサト?キタザト?
実はこの問題、北里柴三郎の地元である熊本県のローカルテレビ放送局では二分している状態なんです。
ある放送局では、新紙幣発行となった7月3日のニュースで「弊社はキタザトで読んでいきます」と宣言したほどです。
出身町の小国町では「キタザト」
北里柴三郎は、熊本県阿蘇郡小国町の北里地区出身です。地区の呼び名は「キタザト」で、この辺りは「北里」姓も多く、地元では「キタザト」さんと呼んでいます。なので、地元の方たちは「キタザト シバサブロウ」さんなんです。
そして小国町には、北里柴三郎の旧居宅と生家・当時の資料や書籍などがある北里柴三郎記念館がありますが、この施設の正式な呼び名ももちろん「キタザト」です。
いつから「キタサト」に?
では、いつから「キタサト」になったのか?北里研修所によると、ドイツ留学の際、北里柴三郎は現地のドイツ語では「ZA」が「ツァ」と発音することから「Kitasato」とサインしたということです。
それが北里柴三郎が世界的に有名になり、アメリカなどでも「Kitasato」と表記され、世界基準としては「キタサト」になったようです。ちなみに、北里柴三郎を学祖とする「北里大学」は「キタサトダイガク」です。
そして、2019年に今回の新札製造を発表した当時の麻生太郎財務大臣も「キタサトシバサブロウ」と紹介していました。
キタザトと発音する人は地元民かも!
ということで、asology的結論としては、「キタザト」か「キタサト」かはどっちも正解だけど、「キタザト」と呼ぶ人は熊本県人か小国町民の可能性が高いので、会話の中で出てきたら「熊本出身ですか?」と尋ねてみたら、会話が広がるかもしれません。
大変なのは、ローカル局のアナウンサーの皆さん。北里柴三郎をどう呼ぶかに関わらず、関連施設は正式名称で呼ばなければならず、一つのニュースに「キタザト」「キタサト」が混在するのは必須。
こちらの放送局のニュースでは、「キタサト」と呼ぶようにしているはずですが、なんと「北里柴三郎」を「柴三郎」と親しみを持って呼ぶ戦略で、「キタサト」と「キタザト」が混在するニュースを乗り切ったようです。※でも現地では、地元の方に気を使ってか「キタザト」と呼んでました・・・。