『子供の科学完全読本 1924−1945』
子供の科学
『子供の科学(こどものかがく)』は、誠文堂新光社が出版している日本の雑誌(子供向け科学雑誌)で、通常毎月10日発売。略称は「子科」(「こか」とも言われています。
戦前から子供向けの解説に特化した雑誌で、1924年(大正13年)に創刊して以降、日本で刊行が続く科学雑誌としては最古の雑誌です。戦前は日本国内のみならず、台湾、朝鮮半島、満州、南樺太等、当時、日本の主権の及んでいた地域でも購読されていました。
現代の私たちだからできる、当時の未来予想を答え合わせ
関東大震災の翌年、1924年に創刊された月刊誌『子供の科学』。この雑誌の膨大なバックナンバーを終戦の年まで読み直し、この期間の面白い記事を解説付きでまとめなおした1冊。百年前の人々のリアルな夢や希望、意外と高かった科学知識、誌面を飾る精密な挿絵や図解などが見どころです。
中でも興味深いのが、各分野の未来予想。将来の都市の姿はこれだ! エネルギーはこうなる! などなど、当時の科学リテラシーで解説される100年後の世界、その予想が当たっているか否か、現代人の私たちならわかります。未来の交通の主役になると思われていた飛行船の存在、人類が月に行けるのは2050年と考えられていたことなど、予想が外れた記事を楽しめるのは現代人ならではの特権でしょう。もちろん、ズバリ的中された記事もたくさんあります!
目次
Part1
未来への憧れ
想像を膨らませた未来の都市構想
錬金術は実現した?
予想的中! 未来のエネルギー
現実が想像を超えた月世界旅行
ビジネスにならなかった国際無線電話
期待外れに終わった乗り物「飛行船」
コラム
未来の人類生活 優生思想
三陸沖地震発生
Part2
戦争と科学
近づいてくる戦争の影
中国との戦争が始まった
まだ他人事だった第二次大戦勃発
いよいよ日米開戦
満州と海外移民
戦況悪化と窮乏する世間
B-29と空襲
戦争と資源
昭和20年—敗戦直後の2冊
コラム
広告で見る戦争の足音
二十世紀の驚異
Part3
対談 子供の科学と私
小飼弾 × 稲見昌彦
小飼弾 × 浮川和宣 浮川初子
時代がわかる
表紙図譜 1924-1945
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100周年の集大成的な雑誌ですので、本棚に1冊加えてみてはいかがでしょうか。