人々の心にいまでも深く深く残る「9.11同時多発テロ」。
多くの罪なき人々の命が奪われ、世界中が悲しみに包まれました。
その中でも印象に残っているのは、迫りくる炎や火災によって発生したガスにより逃げ場を失い、飛び降りることで想像を絶する苦しみから逃れた人々。その刹那に、生きることへの希望を見たのかもしれません。
大変痛ましくあってはならない光景。しかし他に術はなかったのでしょう。
無差別大量殺人などというテロ行為が起こらない事、未然に防ぐことがもちろん一番なのですが、テロでなくても事故は起こってしまいます。
そして、高層ビルの火災では度々この悲しい光景が繰り返されています。
ビルの避難訓練では、ジェットシューターを利用したものが一般的ですが、高層ビルはそうはいきません。かといってパラシュートを使ったところで、素人が緊急時にうまく使えるとは思えません。
レスキューが間に合い、落下ポイントにマットを敷いたとしても、一定の高さ以上では意味をなしません。
新開発のパラシュート
そこで、ロシアの「Space Rescue Systems」が開発している新しいパラシュート(パラシュートといっていいかわかりませんが)。人を高層ビルの火災から救うための斬新な発明がこちら。
このシステムの仕組みを簡単に言うと、バックパックがビルの室内に設置されており、緊急時にそれを背負って窓際で背中を外に向けて腰掛けます。
ハンドルを引っ張ると自動的にラッパ傘状のエアクッションが外に向かって開かれ、避難者はそのまま後ろ向きに落ちることになりますが、パラシュート形状のおかげでゆっくりと落ちていき、また着陸時もバルーンのおかげでふわりと着地することができます。
動画では他の形の試験も映されていますが、いずれもバックパックにコンパクトに収まっていながら、高い確率で生存できそうなところがとても素晴らしいですね。
ただ、一つ一人しか救えないということが問題かもしれませんが、一人でも多く救えることに越したことはありません。
よりコンパクトになり、大量に普及するようになればよいですね。