Claudeだけで画像編集ができる時代になった
「AIに頼めば画像編集もできる」と聞いて、半信半疑だった方も多いのではないでしょうか。
筆者もそのひとりでした。ところが、Claude.aiに接続できる「Adobe for creativity」というコネクタを試したところ、チャット画面から離れることなく、Photoshopレベルの背景除去が実際に動作しました。
この記事では、コネクタの概要から実際の操作手順、そして「ここまではできるけどここからはできない」という正直なレポートをお伝えします。
Adobe for creativityコネクタとは何か
Adobe for creativityコネクタとは、Claude.aiのMCP(Model Context Protocol)機能を通じて、Adobe Creative Cloud・Photoshop・Lightroom・Adobe Expressの各APIをチャット上で呼び出せるようにした連携ツールです。
従来、画像加工にはPhotoshopやLightroomを起動して、ツールを選んで、書き出して、という手順が必要でした。Adobe for creativityコネクタを使うと、「この写真の背景を消して」とClaudeに伝えるだけで、同じ処理が完結します。
対応している主な操作は次のとおりです。
- 背景除去(透過PNG出力)
- 自動トーン補正・明るさ・彩度・色温度の調整
- 背景ぼかし(レンズブラー・ガウスぼかし)
- Lightroomプリセットの適用
- SVGへのベクター変換
- Adobe Expressテンプレートの検索・テキスト編集
- Adobe Stock素材の検索・ライセンス取得
実際にやってみた:人物写真の背景除去
使用した素材
Photoshopで開いたポートレート写真(JPEGファイル)を使用しました。女性が座り込んでいる、オーソドックスなポートレートです。

手順
ステップ1:ファイルのアップロード
Claude.aiのチャット画面に画像をアップロードして、「人物の背景を削除してください」と送信します。
Claudeが自動的にAdobe for creativityコネクタを認識し、ファイルピッカーが表示されます。ウィジェット上でファイルを選択すると、Adobe Creative Cloudへのアップロードが始まります。
ステップ2:背景除去の実行
ファイルが選択されると、Claudeがimage_remove_backgroundというAPIを自動で呼び出します。ユーザー側の操作はありません。
処理時間は数秒程度でした。元画像は4016×6016pxのフルサイズで、出力も同じ解像度のPNGとして返ってきました。
ステップ3:結果の確認とダウンロード
チャット画面にプレビューが表示され、ウィジェット上の「Download」ボタンからそのままPNGを保存できます。
生成されたPNGはアルファチャンネル付きの透過画像で、Photoshopや他のツールにそのまま持ち込んで合成作業に使えます。

できないこと
試していくうちに、「これはできない」と判明した操作もありました。
背景の差し替えはできない
「背景を草原に変えて」と指示したところ、対応不可という回答でした。背景を別の画像や生成AIで作った素材に置き換えるには、Adobe PhotoshopまたはAdobe Fireflyが必要です。コネクタ経由では対応していません。
人物の再配置・合成はできない
「草原に座っているように配置して」という指示も同様に非対応でした。人物を別のシーンに合成する処理は、現時点のAPIではサポート外です。
できないことの一覧(現時点)
- 背景の差し替え(別素材・AI生成)
- 人物・物体の合成・再配置
- 解像度アップスケール
- オブジェクトの除去(電線・不要な人物など)
- OCR・PDF内テキスト編集
- 動画のトリミング・フォーマット変換
よくある疑問
Q. Adobe Creative Cloudのサブスクリプションは必要ですか?
Adobe for creativityコネクタを使うには、Adobe IDとClaude.aiへのコネクタ接続設定が必要です。一部機能はAdobeのサブスクリプションプランに依存します。
Q. アップロードした画像はAdobeのサーバーに保存されますか?
処理のためにAdobe Creative Cloudへ一時的にアップロードされます。利用規約の詳細はAdobe公式ドキュメントを確認してください。
Q. Photoshopと比べて仕上がりの精度はどうですか?
背景除去の精度は、Photoshop(コンテンツに応じた選択)と同水準と感じました。今回のポートレートでは、髪の毛の細かい部分も含めてきれいに切り抜かれていました。
「チャットから画像処理が完結する」は本当だった
Adobe for creativityコネクタを使うと、次のことがチャットだけで完結します。
- 画像をアップロードする
- 自然な言葉で指示する(「背景を消して」など)
- 処理結果をダウンロードする
Photoshopを起動する手間が省けるのは、繰り返し作業が多いワークフローで特に効果的です。一方で、合成・生成・AI修正といった高度な操作は現時点では非対応のため、Photoshopとの併用が現実的な使い方になります。
切り抜いたPNGをPhotoshopに持ち込んで背景合成する、という分業フローが今のところもっとも効率的です。
