DigitalTwin(デジタルツイン)
そもそも、デジタルツイン(DigitalTwin)とは、現実の世界から収集した様々なデータを数値化して、まるで双子(TWIN)のように、コンピュータ上で再現する技術のことです。
コンピュータ上で収集データを元に、限りなく現実に近い物理的なシミュレーションが可能となります。自社製品の製造工程やサービスの在り方をより改善するうえで有効な手段となります。例えば製造ラインの一部を変更する場合など、事前にデジタルツイン上でテスト運営することで、開発期間やコストの削減が見込めます。
また、IoTを活用してリアルタイムの情報も取り込んでいくことで、商品の故障予知に役立てることもできます。例えば同じ製造工程を経て出荷された2つの製品があった場合、出荷後の稼働状況をIoT技術により集約・分析すると、使われ方の違いを把握することができます。これらのデータを蓄積すれば、故障する可能性を事前に察知し、故障する前に使用を停止させるようアラートを通知することも可能になります。
デジタルヒューマンの活用
広告やエンタメ、接客など様々な分野でデジタルヒューマンの活用が期待されています。XR技術を用いた映像表現、バーチャル空間でのライブ開催はすでに増加しており、開発がさらに加速化しているARグラスなどのウェアラブル端末やVRデバイスが広く一般化していくことで、AR・VRを活用したデジタル空間のみで完結するコンテンツが今後より一層多く生まれてくることが想定されています。
著名人の公式3DCGモデル
サイバーエージェントはタレントやアーティストなど著名人の公式3DCGモデルを制作して、著名人の「分身」となるデジタルツインをキャスティングするサービス「デジタルツインレーベル」を、芸能事務所および著名人向けに開始。2023年までに著名人500人のデジタルツインの制作およびキャスティングを目指すとしています。
これにより、CMなどのタレント活動で物理的な制限から開放された活動を展開できます。
例えば、本人同士の対談?やドラマやCMなどにおいて未来と現在の姿での映像共演ができるようになるほか、アスリートは世界中を巡り試合を行っているオンシーズンでもCM撮影ができるようになります。
デジタルツイン1人目は冨永愛さん
1人目のデジタルツインとして採用されたのが、モデルの冨永愛さん。
冨永さんの分身となるデジタルツインは、顔のみならず冨永さんの全身を3DCGスキャンし作成されました。
表情豊かな静止画だけでなく、バーチャルファッションショーでウォーキングをしたり、ご本人の音声を合成したりするなど、動きのある映像出演も可能とのことです。
ディープフェイク
モデルは同社が定めるガイドラインに沿って制作、管理することで悪用を防ぐとしています。
今後はディープフェイクを検知する研究を進めながら、著名人の著作権や肖像権を保護しやすい体制を整えるとのことです。