万力といえば、なんらかの作業のために対象物をものすごい力で挟み込んで固定する器具。
硬いものを削ったり、接着に使ったりと便利なやつですが、複雑な形は挟めないという弱点があります。仮に挟めても、一点に力が集中してしまって対象物を破壊してしまったり、うまく固定できなかったりするんですね。
実はそんな問題を解決するすごい万力がありました。
その名も「フラクタルバイス」。
バイスとは万力のことですが、その挟む部分がフラクタル構造になっており、対象物に合わせて可変する仕組みになってるんです。
画像で見るとこんな感じ。
確かにこの構造なら凹凸があってもガッチリホールドできそうですよね!
この万力はネブラスカのアーティスト、スティーブ・リンゼイ氏が6年かけて完成させたもので、レンチやはさみなどの不規則な形状をしっかりとグリップするとのこと。
動画で見るとこんな感じ。
リンゼイ氏は現在、自身のサイトで最終的にグリップする箇所が16個のバージョンと8個バージョンの予約注文を受け付けていますよ。
業種によってはかなり重宝しそう!
フラクタルバイス自体は約100年前に誕生していた?
このフラクタルバイス、実は1920年代にMantle & Co.という会社が製造していたらしく、特許情報も残っているみたいです。
https://patents.google.com/patent/US1059545
特許自体は1913年、米国にて発行されています。
※特許によると、発明者は「Paulin Karl Kunze(ポーリン・カール・クンゼ)」と記されていますが、スティーブ・リンゼイ氏との関係は不明です。