「GrabShell」とは?世界初の変形型キーボードを徹底解説
キーボードは「机の上に置くもの」という常識を、根本から覆すデバイスが日本から誕生しました。
静岡県富士市に本社を置くdotBravo株式会社が開発した「GrabShell(グラブシェル)」は、両手で握りながらタイピングできる世界初の変形型キーボードです。アメリカでの先行予約においてリリース後わずか30分で1,000台の予約を達成し、その後日本国内でも予約受付が開始されました。
この記事では、GrabShellの特徴・スペック・使用感・購入前に知っておくべき注意点までを詳しく解説します。

© 2023 dotBravo, Inc.
GrabShellとはどんなキーボード?
GrabShellとは、机に置かずに両手で持ったまま操作できる、変形・分離合体機構を持つ世界初のキーボードです。
通常のキーボードは150年以上変わらず「椅子に座って机の上で使う」スタイルが前提でした。しかしARグラス・VRゴーグルの普及が進む現代では、ディスプレイはもはや机の上に固定されていません。GrabShellはその変化に応えるために設計された、次世代の入力デバイスです。
開発のきっかけは、dotBravoのエンジニアが持った「会社の廊下を歩きながらタイピングしたい」というシンプルな欲求でした(ファミ通.com, 2023年9月)。その願いをキーボードオタクたちが本気で製品化した結果がGrabShellです。

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GrabShellの5つの主な特徴
1. 「Grab & Hack」——握って使えるキーボード
GrabShellは大きく2つの使い方ができます。
- グラブモード:両手で握って立ったまま・寝転がりながら・歩きながら操作
- フラットモード:展開して机の上に置き、通常のキーボードとして使用
3分割構造が鳥の翼のように開閉し、折りたたむとラジコンのプロポのような形に変形します。親指2本で表面(トラックボール・ジョイスティック等)を操作し、残り8本の指で背面のキーをタイプする独自スタイルです。
2. マウス不要の多機能コントローラー
GrabShellには以下の入力デバイスが一体化されています。
| 入力デバイス | 役割 |
|---|---|
| トラックボール(右親指) | マウスカーソル操作 |
| ジョイスティック(左親指) | スクロール・ナビゲーション |
| トグルスイッチ | レイヤー切替・マクロ |
| スクロールホイール | ページスクロール |
| RGBバックライト | カラーカスタマイズ対応 |
マウスを別途用意しなくてもすべての操作がGrabShell単体で完結する設計です。
3. QMK/VIA対応のプログラマブルキーボード
GrabShellはオープンソースのキーボードファームウェア「QMK」をベースに、ブラウザGUIで操作できる「VIA」に対応しています。
- キーマップの自由な変更・カスタマイズ
- マクロの割り当て
- レイヤー機能による多段キー設定
- ショートカットの個人最適化
エンジニアやプログラマーが自分の開発環境に合わせてフルカスタマイズできます。
4. ドライバー不要のプラグ&プレイ
接続はUSB-Cケーブルを差すだけで即使用開始できます。専用ドライバーや専用アプリのインストールは不要です。Bluetooth(ワイヤレス)にも対応しており、USB-CとBluetoothの2通りの接続方法から選べます。
5. AR/VRデバイスとの高い親和性
ARグラス・VRゴーグルを装着した状態では、机の上のキーボードは実質的に使えません。GrabShellは手元に持ったまま操作できるため、XRデバイスとの組み合わせで真価を発揮します。「XRデバイスと一緒に使えば未来人になれる」というコンセプトは、開発チームの本気のビジョンを反映しています。
対象ユーザーはこんな人
GrabShellが特に向いているのは以下のような方です。
- エンジニア・プログラマー:立ちながら・歩きながらコードを書きたい
- eスポーツプレイヤー:独自のキー配列でゲームを最適化したい
- XR/VRユーザー:ARグラスやVRゴーグルと組み合わせて作業したい
- ガジェット好き:ロマンと革新性を重視するコレクター
- プログラマブルキーボード愛好家:QMK/VIAで徹底的にカスタマイズしたい

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スペック概要
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 接続方式 | USB-C(有線)/ Bluetooth(無線) |
| ファームウェア | QMK / VIA対応 |
| 入力デバイス | キーボード・トラックボール・ジョイスティック・スクロールホイール・トグルスイッチ |
| ライティング | RGBバックライト(カスタマイズ可) |
| カラー | ムーン(ホワイト)/ オニキス(ブラック) |
| 保証 | 購入日より1年間(メーカー保証) |
| ドライバー | 不要(プラグ&プレイ) |
| 対応OS | Windows / Mac |
販売・予約の経緯
GrabShellは、アメリカと中国でのテストマーケティングを経て好評を受け、日本国内での予約受付が開始されました。リリース後30分で1,000台の予約を達成したアメリカでの実績が、国内展開を後押しする形となりました(日刊工業新聞, 2023年2月)。
その後、2024年1月にはビックカメラグループ(ビックカメラ・コジマ・ソフマップ)全国8店舗での販売も実現。ECサイト限定から実店舗展開へと進み、店頭でGrabShellを実際に手に取れる機会が提供されるようになりました(ファミ通.com, 2024年1月)。
購入前に知っておくべき重要な注意事項
⚠️ 重要:開発元であるdotBravo株式会社は現在、事業を停止しています。
2024年以降、dotBravo株式会社の公式ウェブサイト(grabshell.io)は閉鎖されており、同社は倒産したことがユーザーレポートで確認されています(Amazon.co.jp レビュー, Qiita レポート)。
これにより、以下の点に注意が必要です。
- メーカー保証の対応が受けられない可能性がある
- 公式サイトからのVIAプロファイルのダウンロードができない(有志がプロファイルを公開している場合あり)
- 公式サポートへの問い合わせができない
Amazonや中古市場では現在も流通していますが、購入は「サポートなし・保証なし」を承知の上で検討してください。ガジェット好き・カスタマイズ好きの方が「弄り倒す」覚悟で入手するには面白い製品ですが、実用目的でメインキーボードとして購入するのは現時点ではリスクを伴います。
実際の使用感・ユーザーレビュー
実際に購入したユーザーの声(Qiita, Amazon.co.jp より)をまとめると、以下の点が挙げられています。
ポジティブな点
- キー配列のカスタマイズ自由度が高い(QMK/VIA対応)
- 変形機構・トグルスイッチなどのロマン要素
- ガジェットとして設定を試行錯誤する楽しさ
注意が必要な点
- 通常のキーボードと異なる配置に慣れるまで時間が必要(担当者によると「1〜2時間で慣れる」とのこと)
- タイピング時にトラックボールへ指が届きにくい場合がある
- 筐体の剛性については個人差のある評価あり
GrabShellは「完成度の高い実用品」というより、「可能性を持つコンセプトデバイス」として楽しむ製品です。
よくある質問(FAQ)
Q. GrabShellはどこで購入できますか? A. 現在はAmazon.co.jpで購入可能です(2025年時点)。開発元のECサイトは閉鎖されています。
Q. GrabShellはドライバーのインストールが必要ですか? A. 不要です。USB-Cで接続するだけで即使用できます(プラグ&プレイ対応)。
Q. QMKとVIAの違いは何ですか? A. QMKはオープンソースのキーボードファームウェアです。VIAはQMKをベースにブラウザのGUI上でキーマップを視覚的に変更できるツールです。GrabShellは両方に対応しており、専門知識がなくてもカスタマイズできます。
Q. BluetoothとUSB-C、どちらで接続するのがおすすめですか? A. 遅延を気にしない場面や移動中はBluetooth、ゲームや作業など安定性優先の場面ではUSB-Cが向いています。
Q. AR/VRデバイスと一緒に使えますか? A. はい。机を必要とせず両手で持ったまま操作できるため、ARグラスやVRゴーグルとの相性が非常に高いです。
Q. 開発元が倒産した後もキーボードは使えますか? A. ハードウェアとしては引き続き使用できます。QMKベースのカスタマイズも、有志が公開しているVIAプロファイルを使えば継続可能です。ただし公式サポート・保証は受けられません。
まとめ
GrabShellは「キーボードは机の上に置くもの」という150年来の常識を覆した、日本発の革新的な入力デバイスです。
- 世界初の変形型・グラブ型キーボード
- QMK/VIA対応で自由度の高いカスタマイズが可能
- AR/VRデバイスとの親和性が高い次世代コンセプト
一方で、開発元のdotBravo株式会社は現在事業停止中であり、公式サポートは受けられません。購入を検討する際はその点を十分ご理解の上、ガジェットとして楽しむ覚悟で入手することをおすすめします。
エンジニア・ガジェット愛好家・XRユーザーにとっては、一度は手に取る価値のある”ロマンの塊”です。