物流の「2024年問題」を契機に、再配達の削減が社会的な急務となっています。こうした中、もはや「あれば便利」なツールから、戸建て住宅の「不可欠な生活インフラ」へとその立ち位置を変えたのが宅配ボックスです。
福岡に本社を置くFun Standard株式会社(ブランド名:PYKES PEAK)は、2025年の自社販売データに基づく「宅配ボックス売れ筋ランキング」を公開しました。膨大な購買データから見えてきた、現代のユーザーが求める「正解」とは何なのか。その動向を追いました。

圧倒的な支持を集めた「複数投函」モデル
今回のランキングで不動の1位に輝いたのは、同ブランドのロングセラーである「上開き宅配ボックス」でした。

このモデルが選ばれ続ける最大の理由は、独自の構造による「複数回投函」への対応です。ネット通販の利用が日常化し、1日に複数の荷物が届くことが珍しくない現代において、一度鍵をかけると次の荷物が入らないという従来型の課題をクリアしている点が、失敗したくないユーザーからの高い信頼に繋がっているようです。
「おすすめ」という抽象的なキーワードだけでは見えてこない、実用性に根ざした「機能の完成度」が、激戦の市場で王座を守り抜く鍵となりました。
変化するニーズ:耐久性とデザイン性へのこだわり
一方で、2位と3位の結果からは、ユーザーのニーズが細分化している様子も伺えます。
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第2位:ステンレスモデル「MIRA(ミラ)」 屋外に設置される宅配ボックスにとって、最大の敵は「サビ」です。2位にランクインした「MIRA」は、キッチン用品等に使われる高耐久なステンレス素材を採用。長期的な美観と耐久性を求める品質重視層のニーズを的確に捉えています。

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第3位:ポスト一体型「POSME(ポスミー)」 3位には、豊富なカラーバリエーションを誇るポスト一体型がランクイン。従来の「無骨で重い」というイメージを覆し、パステルカラーを含むデザイン性が、玄関周りのアクセントとして住宅の外観にこだわる層から支持されています。

「利便性」から「自分らしいインフラ」へ
2025年のトレンドを振り返ると、宅配ボックス選びの基準が単なる「荷物の受け取り」を超え、「素材(耐久性)」や「色(デザイン)」といった、よりパーソナルなこだわりへと進化していることが分かります。
しかし、その根底にあるのは「確実に、ストレスなく荷物を受け取る」という基本機能への信頼です。同社は「今後もライフスタイルに寄り添う提案を続ける」としており、物流環境が激変する中で、ハードウェアとしての宅配ボックスが果たす役割はますます重要になっていくでしょう。
ネット上の「おすすめ記事」だけでは分からない、実際の購買データが示す「正解」。これから導入を検討する戸建てユーザーにとって、非常に示唆に富むランキング結果と言えそうです。