私達が当たり前のように使っているインターネットや、InstagramやFacebook、TwitterなどのSNS。検索するだけで欲しい情報がすぐに手に入りますし、世界中の人と繋がれて面白いものが見れる楽しいツールですよね。
そんなインターネットやSNSを用いて“サスペンス”“家族愛”を描いた映画「search(サーチ)」の見どころをご紹介します。
あらすじ
行方不明になった娘・マーゴットを見つけるため、PCにログインし、SNSを手がかりに事件の真相を探ろうとするが、娘の知らない一面が次々と明らかになってなっていく・・・
100%PC画面なのに飽きずに観れる巧みな演出
予告動画にもありますが、「search」はPC画面上でストーリーが展開されます。
ずっと同じPC画面で進行していく構成は一見飽きてしまいそうな気もしますが、そんなことは一切感じることなく観ることができる映画でした。
まず冒頭に、父デビッド、母パメラ、娘マーゴット、親子3人が辿る歴史が写真や動画でホームビデオのように流れていくのですが、母パメラが「悪性リンパ腫」を患ったことで、幸せそうに過ごしていた日々が少しずつ不穏な雰囲気を纏っていきます。
パメラが入院して闘病生活が始まると、最初に決まっていたカレンダーの「Mam comes home(ママの退院日)」の予定が、日付をドラッグしてどんどん先延ばしになり、最後は「Delete」で予定が消えてしまいます。
この一連の流れを音声や動画で説明せずに進行するという100%PC画面ならではの巧みな演出が魅力的で冒頭から一気に物語に引き込まれます。
この後にも同じような演出が繰り出されます。
例えば、マーゴットの居場所を探るため、久々にパメラのPCにログインすると、「最終ログイン日から●週間が経ちました」という通知でパメラが亡くなった現実に突きつけられたり、チャットでやりとりをするときに、デビッドが打った文章を消して書き直すシーンからデビッドの“本音”が見えたり、散らかったデスクトップで翻弄されるデビッドの精神状態を表現したり、「その手があったか!」と思わせるシーンが散りばめられています。
SNSのリアル
マーゴットを探すため公開捜査に映ると、ニュースも報道番組もその事件の話題一色になります。
当然ネットでも騒がれて、何万人もの人が事件について色んなあることないことをつぶやくんですよね。
「父親が犯人説」とか「ただの家出でしょ」なんて心無いことを言われたり、友達でもなんでもないただのクラスメイトが事件をダシに注目を浴びようとしたり・・・SNSでよく見る光景が繰り広げられます。
この他にも、追い詰められたデビッドが「マーゴットは俺と一緒にいる」という嘘の情報を流した男子のもとに突撃して揉み合いになり、野次馬たちが動画を撮影してその様子が拡散されてしまいます。デビッドには「最低の父親」とアンチコメントが。
こうやって一場面しか見ていないのに簡単に誹謗中傷したり、面白がって撮影して拡散したりして盛り上がるのって全世界共通なんですね・・・。
こういった私達が実際に目にしているネットの嫌な部分が再現されていることで、さらなるリアルさが味わえました。
ハラハラドキドキの102分
誰もマーゴットと連絡が取れていないことを知り、事件性が高いと判断したデビッドは警察に通報しますが、警察頼みにせず自ら捜査を進めていきます。ここから本格的にサスペンスが始まります。
この人物が怪しいと思い調べると「犯人確定では!?」な情報が出てくるんですが全然違う、再びめぼしい人物を見つけますが違う、この人物も違う、と常にハラハラドキドキな展開が待ち受けます。ラストに向けての大どんでん返しにはほんとにびっくりです!!
友達や家族と一緒に観れば「こいつが犯人じゃない?」なんて言いながら一緒に謎解きが楽しめます。
家族愛
謎解き要素も魅力的ですが、それだけじゃないんです!
何より注目してほしいのは“家族愛”。
マーゴットのPCにログインしてFacebookのフォロワーに片っ端から連絡をしたり、暴力騒動を起こしたり、ちょっとやり過ぎな感じもするデビッドですが、娘のために奮闘する姿に心打たれるものがありました。娘を愛してはいるんだけど本音で向き合うことが出来ずに溝が深まってしまう、最愛の妻の死を受け入れられずにいる、そんなもどかしさもうまく描かれていました。
愛が大きすぎる故に歪むか、重要な出来事によって向き合えるようになるか・・・。
“家族愛”について考えさせられる作品でもあります。
最後に
繰り出される巧みな演出に、常にハラハラドキドキさせられるサスペンス要素や心温まる家族愛など、見どころたっぷりの作品です!また、SNSを取り扱う作品にありがちな変に説教じみた場面も無くて観やすい!
ラストの展開には度肝を抜かれます。
皆さんも是非観てみてください!