今回ご紹介するのは、映画「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」です。
ただのおっさん2人が“殺人鬼”と勘違いされてどんどん最悪の事態に巻き込まれていくホラーコメディ映画です。グロいシーン多めですが、コメディ要素満載でとても笑える作品になっています。
勘違いが生んだ悲劇
親友同士のタッカーとデイルは、コツコツ貯めたお金で購入した別荘に休暇を過ごそうとやって来ます。その道中、ショップで大学生グループと出会うのですが、大学生たちが2人に抱いた印象は最悪。それもそのはずで、強面でコミュ障で身体の大きいデイルが、いきなり可愛いと好意を持った女子大生・アリソンに声をかけに行くんです。緊張しまくってうまく話せず、もうびっくりするくらい不気味な雰囲気全開。
その様子を見た仲間の大学生たちからは当然めちゃくちゃ軽快されるわけで…。このことがきっかけでこの後とんでもない悲劇が2人を襲うことになります。
タッカーとデイルが出会った大学生グループは、森にキャンプをしに来たのですが、その森がまさかのタッカーとデイル2人の別荘がある森でした。しかもその森は、20年前に大学生たちが惨殺される事件が起きたいわくつきの場所だといいます。
もうこの時点で悪い予感が…。
夜になり、タッカーとデイルが湖で魚釣りを楽しんでいると、森で楽しくキャンプをしていた大学生たちが泳ぎに来ます。2人は大学生たちにバレないようにここから逃げようとしますが、デイルが思わず大きな声を出したせいで、岩の上にいたアリソンが驚いて頭を打ち、湖に落ちてしまうというハプニングが発生!デイルはすぐさまアリソンを救い出し介抱しようと小舟に乗せますが、その様子を見た仲間のうちの1人は、「殺人鬼にアリソンが攫われた!」と勘違いしてしまいます。
ただ助けようとしていただけなのに…。
翌日、2人の別荘で目を覚ましたアリソンは、デイルが自分を助け出してくれたこと親切で心優しい男だと知り、自然に打ち解けます。
一方、大学生グループはデイルからアリソンを救い出そうとしますが、不幸が重なり、枯れ木に串刺しになったりウッドチッパーに身体が巻き込まれたり、見るも無惨な形で次々と事故死してしまいます。
その様子を目の当たりにしたタッカーとデイルは、大学生たちは集団自殺しに来たんだとこれまた大きな勘違い。そして「自分たちが殺したと疑われてしまう」と慌てて遺体を運び出していると、タイミング悪く保安官が2人の前にやって来ます。ところが、保安官も勝手に事故死してしまいます。
これをきっかけに大学生たちはタッカーとデイルを完全に殺人鬼だと勘違いし、対抗しようとデイルが飼っている犬を連れ去り「犬質」をとったり、タッカーの指を切断して送り付けたり段々と常軌を逸した行動をとっていきます。
不憫すぎる2人
この作品の何が面白いかって、タッカーとデイルは悪いこと一つもしていないのに、状況がどんどん悪い方向に動いていくんです。湖に落ちたアリソンを舟に乗せて救い出そうとしただけなのに殺人鬼と勘違いされて、蜂の大群から逃げようとチェーンソーを振り回して藻掻く姿を見られ、チェーンソーで殺しにかかってきたとまたもや勘違いされ、とにかく最初からずっと勘違いまみれなんです。
タッカーとデイルはただの中年男性で、憧れの別荘で普通に休暇を過ごしたかっただけなのに、見た目のせいで“殺人鬼”と勝手に勘違いされ大学生たちから襲われて…この不憫さがすごく笑えて、まるでコントを見ているみたいでした。
また、大学生たちもアリソンを助けるために色々計画して2人に立ち向かおうとするのですが、全部裏目に出て次々と死人が出ていきます。走ってる途中に前方不注意で木の枝に突き刺さったり、躓いた拍子にウッドチッパーに突っ込んじゃって肉片になったりもう自滅祭り。この死亡シーンはグロいのが苦手な方は観るのをおすすめしませんが、普通のホラーのようにおどろおどろしい雰囲気ではないので、しっかりコメディとして楽しむことができます!
おっさん同士の友情
私的な見どころポイントがありまして、というのがタッカーとデイル2人の友情なんですが、デイルが「俺なんか…」とネガティブになっていると、タッカーは「お前はお前が思っているよりずっとかっこいいんだからもっと自信を持て。」とか「お前ならやれる。」とか、すごく励ましてくれるんです。親友のことを思いやっているめちゃくちゃ良いヤツ…!
2人で別荘買って休日を一緒に過ごすなんてほんとに仲良しでなんだか微笑ましいです。おっさん同士の友情もたまにはいいですね。
映画後半は大学生グループのリーダー格・チャドとの闘いになるのですが、今まで自分に自身が無くてナヨナヨしていたデイルが勇敢に立ち向かっていく姿に成長を感じてアツくなるし、なんなら応援しちゃってました。
最後に
ひとつの勘違いから誤解が誤解を生んでどんどん最悪の事態になっていく様子がコメディたっぷりに描かれていて、最後まで飽きずに楽しむことができました!
それと同時に人を見た目で判断してはいけないという学びも得ました笑
一味違うホラー映画をお探しの方はぜひこの作品をご覧ください!