光害
秋分も過ぎ、これからの季節は夜空に瞬く星がキレイな季節を迎えます。
しかしながら、人口密集地などでは街灯やお店の照明などでごく一部の星(金星くらい)しか見えない地域も多いと思います。
そんな、照明の光が天体観測に影響を及ぼす「光害」を防ごうと、パナソニックが夜空に光が漏れない照明の開発に成功しました。
星空の街
開発のきっかけは岡山県井原市からの依頼でした。
井原市の美星町は1988年に環境庁から星がよく見えるまちとして「星空の街」に選定されました。これを機に星が見える環境を大切にする機運が高まり、1989年には美しい星空を守るために国内初となる「光害防止条例」を制定し、「星の郷」として知られるようになりました。
その昔3つの流れ星がこの地に落ちたといわれる「星尾降神伝説」や星にちなんだイベント、天体観測の施設も多く、豊かな自然の中で、流れ星や天の川が広がる星空を満喫できます。
2019年に町内のモデル地区に一部改良型の防犯灯を設置し現地にて検証が行われ、米国のIDA本部認証基準の上方への光漏れが一切ない上方光束率0%、色温度3000K以下をクリアし、国内メーカー初の「星空に優しい照明」として認証されました。
手前:一部改良型(非IDA認証)、奥:通常のLED防犯灯
IDA(国際ダークスカイ協会)によると、過剰な人工照明による光害はエネルギーを浪費し天体観測を妨げるだけでなく、星の光を頼りにするウミガメの繁殖や渡り鳥の飛行を乱すなど、自然環境へのさまざまな悪影響があるそうです。