asology [アソロジー]

【司会者は見た!】結婚披露宴の裏側やハプニング・感動話まであれこれ②

これまでホテルやレストラン・料亭での結婚式を中心に100組近くの披露宴司会を担当してきた40代女性MCの備忘録。披露宴の裏側やハプニング・感動話まで、つらつらと綴ってまいります。

過去の記事はこちら→■【司会者は見た!】結婚披露宴の裏側やハプニング・感動話まであれこれ①

打ち合わせあれこれ

打ち合わせは基本1~2回

司会者との打ち合わせは、だいたい披露宴当日の1か月くらい前に第1回が行われます。そこでは、どんな披露宴にしたいか新郎新婦のヒアリングを中心に進め、それを受けて司会者から進行の提案をし、最終的には進行表第1稿を仕上げ印刷して新郎新婦にお渡しするまでなので、平均3時間、長いときは4時間以上時間をかけ打ち合わせします。
その後、1回で終わる場合もありますが、だいたい披露宴1週間前に最終打ち合わせとして2回目の打ち合わせを行い、披露宴当日に臨むといったスケジュールになります。

打ち合わせは貴重な情報収集やコミュニケーションの時間

打ち合わせでは、偶然にも出身地が一緒だったとか、共通の知り合いがいたとか話が盛り上がり、そうなるとお互いに信頼関係も築きやすくなるので、進行に関係ない雑談でも気を抜かずにアンテナを張り巡らし色々と質問をさせて頂きます。人生の節目のお手伝いをさせて頂くからには、お二人について色々と知っておきたいので、この打ち合わせは披露宴の進行を決めるだけではなく、司会者にとってはよりお二人に近づくための貴重な限られた情報収集の時間とも言えます。
ただ、打ち合わせで10お聞きしたことを披露宴では半分の5出せればいい方で、むしろお客様に知られたくないことも把握しておかないといけないので、打ち合わせで頂いた情報については細心の注意を払っています。

新婦の人生相談になることも


結婚式や披露宴の主役はほとんどが新婦様。なので、打ち合わせも自然と新婦様との会話が多くなり、同じ女性としてついつい話が本題から反れ弾むこともあります。
ある新郎新婦は、入籍や出産はすでにお済で小さなお子様が二人、新郎様はお仕事が忙しく、打ち合わせは最初の1回のみのご参加で、後は新婦様との打ち合わせのみといった感じでした。どうやら新郎様はあまり披露宴に乗り気ではなく、新婦様のために仕方なくやるという感じで、そのため準備は新婦様に丸投げという状態で、さすがに私も同情してしまい、色々と愚痴なども伺っていました。
先述した通り、小さいお子様もいてしかもワンオペ育児、そして新婦さまにもお仕事があり、時間がない中、本当に寝る間も惜しんで準備された新婦様。だんだんと追い詰められ、ついには「私たちは新婚の時期をとうに過ぎていて子どももいるし、こんなに大変な準備をするくらいならむしろ披露宴をしない方がいいのではないか・・・」と打ち明けてくださいました。
なので、私は「披露宴は新婦様が主役なんですから、自分のやりたいことをやっていいんですよ!お子様が一緒の結婚式も順番がどうのこうのいう人達は放っておいて、人生の晴れの日を大切なお子様も一緒に過ごせるんですから、それもまたいい記念になります!不安なことは何でも言ってください!一緒に頑張りましょう!!」とひたすら励まし、なんとか当日を迎えることができました。
そして披露宴も滞りなく終わり、新郎様も終えてみるとまんざらでもないご様子(これは新婦様の頑張りの賜物なので、ちょっと冷ややかな目で見てしまいましたが・・・)。新婦様もホッとした、けれども嬉しそうな笑顔を見れたとき、心の中で思わずガッツポーズした私でした。
新郎の皆さま、くれぐれも新婦様だけに負担が大きくならないよう、お気をつけくださいね!!

 

両家のバランスはとっても大切

打ち合わせの中で司会者が気を遣うことの一つが「両家のバランス」です。進行の中でのゲストの方たちの出番の数など、けっこう「両家のバランス」を気にしながら進行を決めていきます。
例えば、最近はご来賓の挨拶などはあまりしない傾向にありますが、以前は両家からお一人づつご挨拶を頂いてました。来賓あいさつは通常職場の上司から頂くことが多いのですが、新婦様がすでに結婚を機に退職された場合もあり、その時は、ご来賓の挨拶は新郎側一人にして、その後の乾杯のご発声を新婦側から出して頂いたりしています。
また、お色直しに伴う入退場のお相手も、新婦様がお母様と退場したならば、どこかで新郎様もお母様の場面を作ったり、どちらかだけに偏りが出ないようにアドバイスさせていただきます。
打ち合わせの際に、この両家のバランスに自ら気付いていらっしゃる新婦様は、やはり他のことにも細やかに心を配っていらっしゃって、いい奥さんになるんだろうな・・・なんて思ったりしています。

さて、両家のバランスで司会者がどうしても解決できないものがあります。それは、ご招待するお客様の数のバランスです。すでに司会との打ち合わせの時には招待状は送られており、出席者はほぼ確定しています。だいたい1:1か、少しだけどちらかが多いというのが通常なんですが、過去に1度だけ、4:1ぐらいの割合で新郎側が多かった披露宴がありました。
実は、私は新婦側のゲストとして出席した披露宴だったんですが、なんと新郎のお父様が地元の議員さんで、お父様関連の招待客がほとんど。やれどこどこ市の議員さんや、国会議員の方、その代理の秘書の方など、ご歓談の時間は名刺交換会と化していて、新婦のお色直し退場やケーキ入刀、余興などもおじ様たちは名刺交換に夢中といったカオス状態。

友人としてちょっと腹立たしかったですが、司会者じゃなくてホッとしました。偉いおじ様たちに「どうぞお席におつきください」なんて繰り替えし言いたくないですもんね。しかも言うこときいてくれなさそうだったし・・・。更に、全部で300人超えるなかなか最近では見られない規模の披露宴でした。(ちなみに、新郎は政界へは一切興味はないようで、二人は年賀状を見る限りでは幸せに暮らしてるようです)


次回も披露宴の裏側をご紹介します、お楽しみに♪

モバイルバージョンを終了