【プチ卒母】15才で家を出たひとり息子の話③

2023年春、我が家のひとり息子が高校進学のため家を出ました。と言っても、自宅から車で1時間程度の夫・祖父母宅での下宿です。なので完全に子育てが終わった子離れの「卒母」ではなく、でも離れて住むことになったいわゆる「プチ卒母」状態です。

※卒母とは・・・文字通り、「母親」を「卒業すること」。進学や就職などで子どもの1人暮らしが始まって子育てが一段落したり、結婚などで法的にも扶養から外れるタイミングなどが多いようです。漫画家の西原理恵子さんが2017年に出版した、自身の“卒母宣言”となった『卒母のススメ』で話題になりました。

去年の今頃は想像していなかった「プチ卒母」。息子が家を出て数カ月が経ちましたが、思いもよらない悩みが出てきたりと、送り出した私たち両親もいまだに落ち着かない日々を過ごしています。そんな、3人家族の備忘録をお伝えします。

今回は、「祖父母宅下宿あるある」についてお伝えします。

祖父母宅下宿あるある

登場人物

息子・・・これまで登場してきた我が家の一人息子。基本的には優しい性格。高校生活が楽しくて仕方ない。
じじ・・・夫の父。明るい性格でゴルフをこよなく愛するおじいちゃん。72才。
ばば・・・夫の母。スーパー専業主婦で、料理上手・家はいつもピカピカ。裏表がなくサバサバした性格。70才。
※以下、祖父母は「じじ」「ばば」と呼びます。

もともと、息子が4歳までは同居していた家なので、息子や私たち夫婦の部屋もそのままだし、これまでもよく泊まりに行ったりはしていました。じじばばに健康的にも問題はなく、私たち親子との関係も良好で下宿ウェルカムだったので、色々と検討した結果息子を下宿させることにしました。

生活費について

息子の生活費については最初私たち夫婦で色々と考えました。この地域で高校生が下宿するとなると、家賃や生活費がどれくらいの相場なのか物件を調べ、朝夕の食事付きでだいたい1ヶ月・5万円から7万円でした。

息子の場合は、自転車通学で朝7時に家を出ます。朝食の支度はもちろん、ばばには息子のお弁当作りが加わって5時半起きになります。じじもまだ働いているので、お弁当はじじにも作っていましたが、朝起きる時間が早くなるのと、高校生のボリュームあるお弁当作りはかなり負担をかけることになり、母としては申し訳ない気持ちでいっぱいです。

下宿の相場、食費・光熱費が増えること、またばばの労働力も計算し、初めは5万円ではどうかと相談しました。結果的には月3万円となり、毎月初めに口座に振り込むことにしました。なかなかお金の話はしにくい雰囲気にもなりますが、どんなに実家とは言え、お金のことは最初にきちんと話し合いをすることをおススメします。

世代間ギャップで溜まるストレス

じじばば宅に下宿が始まってちょこちょこ揉めたのが、主に「世代間ギャップ」が原因のストレスです。70代前半と15才なので、それなりに価値観が違うのは覚悟していましたが、小さいものから大きなことまで色々ありました。

・言葉(略語)
まず最初に分かったのは「言葉」のギャップ。特に多いのが「略語」ですね。息子は、高校の英語クラスに入学したんですが「英語クラス」を「英クラ(えいくら)」と呼んでます。他にも、部活は男子バレー部に入ったので「男子バレー部」を「男バレ(だんばれ)」などです。また、LINE用語も「グループライン」を「グルラ」だったり、後は略語ではないんですが「それな」とかの若者言葉だったり。
息子と話をするとチンプンカンプンだそうで、「ちゃんと日本語しゃべりなさい」とよく言われてたみたいです。

・おしゃれ(朝の身支度)
高校生になったとたん、息子は髪型にこだわるようになりました。おしゃれに目覚めたとも言えますが、朝からシャワーを浴びて髪をドライヤーで乾かし整髪料を使ってセットするのに30分かかるそうです。またシャンプーも値段の高いものを買ったり、整髪料も自分に合うのを求めて色んなものを買って試したりと、朝から洗面台を長い時間占領されるのも、じじばばのストレスになっていったようです。

・生活時間のずれ
息子は前述したように男子バレー部に入り、そのため部活がある日は帰宅時間が20時を越えます。遅い時は帰宅が21時近くになることも。それまでは、20時ならばもうじじばば達は夕飯・お風呂も済ませゆっくり寝る準備をしている時間なんですが、息子の帰宅が遅いと、息子の夕飯の準備・後かたづけ・お風呂など、これまでと夜の過ごし方がかなり変わってきました。また就寝時間も、じじばばは21時過ぎにはもう寝ているころなのに、息子が寝るのは23時近く。お弁当作りで朝は早いし、夜は遅くなるしで、この生活時間のズレは徐々にばばのストレスを溜めていくことになるのです・・・。

・遊び、お小遣いについて
息子の高校は街中にあり、最近新しくできた大型商業施設などもあって、帰りに寄り道をすることが多くなりました。ラーメンが大好きな息子は、土日の部活帰りにラーメン食べに行ったりカラオケに行ったりと、1学期はかなり遊んでいました。お小遣いは月に5千円と決めていたんですが、どうやらもう使ってしまってないと思っていた今年のお年玉が少し残ってたようで、それを使っていたみたいです。また、私の母(もう一人のおばあちゃん)からこっそりお小遣いも貰ってて、それで金使いが激しい時期がありました。
中学生まではお金を持っていても使う機会がなかったので、まさかこんなに使いまくるとは親の私たちも想像していませんでした。次第に落ち着いてきましたが、下校の寄り道や外食などについては、最初はちょっと厳しすぎるルールを決めておいたほうが良かったなと思います。

・携帯電話について
これは私たちのストレスでもありますが、まあ家では携帯ばっかり触っていますね。携帯についても、持たせるときに色々とルールを決めておけばよかったと反省しています。例えば、勉強するときは携帯を別の部屋に置いておくや、1日〇時間と使う時間を決めるとか。
あと、勉強するときに携帯で音楽を聴くので、その音も地味にじじばばのストレスになっていったようです。


今回は「祖父母宅下宿あるある」についてお伝えしましたが、読んでお分かりの通り、じじばばのストレスがどんどん溜まっていきます。そのため、親である私たちへの愚痴も増えていくんですが、次回はその結果訪れた「下宿解消の危機」についてご紹介します。

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