子どもの不登校を予測するAI。検証実験始まる。

AI技術を「社会課題解決」へ展開開始

株式会社PKSHAグループ株式会社内田洋行が子どもの不登校をAIで予測システムの開発を行っており、埼玉県戸田市で実証事業を始めています。

リスクスコアを予兆検知モデルに活かすAIシステム

近い将来に不登校になる可能性を予測してリスクスコアとして表示し、予兆検知モデルを構築することを目指しています。実際の予兆検知モデルの構築には、教育の有識者からヒアリングをして意見を取り入れながら校務支援システムに登録されている「出欠・遅刻・早退などの状況」「保健室利用状況」などのデータのほか、「埼玉県学力・学習状況調査(学力調査・質問紙調査)」「学校生活に係るアンケート」「教育相談の利用の有無」「学校健診結果」等のデータを用いて構築されるとのこと。

内田洋行との協力のもと、AI不正検知システム「PKSHA Security」等を構成するPKSHAアルゴリズムモジュールを活用し、AIのアルゴリズムの設計と構築を進めルトのことです。

© 2021 PKSHA Technology Inc.

開発の背景・要因

近年、児童虐待、いじめ、不登校、ヤングケアラー等、こどもを取り巻く問題が深刻化し、相談窓口等の設置だけでは解決できないケースも多く、また、こども自身がSOSを発信することが難しい実情があることから、予兆を検知した上で能動的に支援するプッシュ型支援の実現が喫緊の課題となっています。その一つの解決策として、AIを活用した予兆検知モデルは、プッシュ型支援の一助になるのではないかと注目されています。

© 2021 PKSHA Technology Inc.

戸田市教育委員会は、GIGAスクール構想以前の早い段階から学習者用端末の導入を進めるなど、学校のICT環境整備に力を入れてきました。また、約100の企業やNPO、大学、研究機関と連携し、プログラミング教育やデジタルシティズンシップ教育の推進、不登校支援やインクルーシブ教育の充実など先進的な教育改革に取り組んでいます。こどもデータ連携では、2022年度に開始したデジタル庁「こどもに関する各種データの連携による支援実証事業」に採択されました。学校や教育委員会、そして各地方自治体が部署ごとに保有する教育・保育・福祉・医療などのデータを、個人情報の保護や倫理面での配慮を行いつつ分野横断的に連携し、可視化することで真に支援が必要なこどもの発見、プッシュ型の支援を目指した教育総合データベースの整備を進めており、「誰一人取り残されない教育の実現」というビジョンを掲げています。

細かなデータの蓄積で、不登校や悩みを抱える児童のケアに役立つAIの活用に期待したいですね。

学校の先生も頑張ってますが、なかなか小さな変化には気づかないことも多いと思います。早く実現してほしいシステムです。

 

CCBot/2.0 (https://commoncrawl.org/faq/)  / 

関連記事

25 4
”書類だけで落とさざるを得ない”現状からの脱却 様々な職種で人手不足が囁かれていますが、採用する側の人手不足も深刻のようです。特に最初...
37 4
成長するAIペットロボット“Moflin(モフリン)” カシオ計算機から、人々を癒し感情豊かに成長するAIペットロボット”Moflin...
20 5
まずは野沢雅子さん、銀河万丈さんなど10人のAI音声を作成 突然ですが、皆さんはAI活用されてますでしょうか?もちろん仕事やお勉強でバ...
20 4
AIによってナスカ調査が加速 山形県山形市の山形大学は9月24日、南米ペルーにある「ナスカの地上絵」を新たに303個発見したと発表しま...