【のん兵衛の女の探訪記】かんだやぶそばで出会った、最高のそば前と老舗の風景

老舗の蕎麦屋でしっぽり飲む——。
のん兵衛の女にとって、それはいつか叶えたい小さな夢であり、密かな憧れでもある。
東京の真ん中で、静かに時を重ねてきた「かんだやぶそば」。
その暖簾をくぐった瞬間、都会の喧騒がふっと遠のき、まるで江戸の粋に招かれたような気持ちになった。
畳の香り、障子越しの光、きびきびと動く店員さんの所作。
そして、そば前の一杯が静かに始まるあの幸福な時間——。
今日は、のん兵衛の女が夢を叶えた“極楽の探訪記”をお届けします。

風情あふれる外観に胸が高鳴る「かんだやぶそば」

かんだやぶそば

都会のビル群の中に、突然あらわれる静かな和の空間。
石垣、庭木、木の門構え——まるで時間が止まったような佇まいに、思わず足が止まります。

1880年(明治13年)の創業と言われていて、藪御三家のひとつ。
で、いろんな藪そばの総本家らしい。

建物は火事になって2014年に建て替えられたそうです。

平日昼前の奇跡:整理券なしで入店

普段は整理券を取って並ぶほどの人気店。
でもこの日は平日のお昼前。
まさかの 並びなしで入店。

通されたのはお座敷。

かんだやぶそば

二人掛けのテーブルもあったのですが、花番さんが「テーブルお座敷どちらでも」と言ってくださったので、おひとり様でしたがせっかくならばとお座敷に座らせていただきました。

畳の香り、障子越しの光、庭の緑。
老舗の落ち着きに包まれて、座った瞬間から特別な時間が始まります。

ひとりなのに申し訳ねえ・・・。

店内の“老舗感”がすごい

まず驚いたのは、店員さんの多さ
きびきびと動く姿が気持ちよく、見ているだけで楽しい。

そして何より印象的だったのが——

おかみさんの注文の通し方

「せ~いろ~いち~ま~い~」

まるで百人一首を詠むような節回し。
これが店内に響くと、一気に“やぶそばの世界”に引き込まれます。

さらに店員さんの言葉遣いも素敵で、
「ありがとう存じます」
と丁寧に返してくれる。

老舗の品格って、こういうところに宿るんだな… としみじみ感じました。

まずは“そば前”から

かんだやぶそば

蕎麦屋で飲むときの前菜的な楽しみ方、それが そば前
「蕎麦が来る前に、軽く一杯やりながらつまむ」
——江戸の粋が詰まった文化です。

今回の最大の目的でもあります。

菊正宗とねりみそ:静かに始まる幸せ

かんだやぶそば

最初の注文は 菊正宗を1本。(1合 1,320円)
添えられてきたのは、ごぼうと味噌を合わせたねりみそ。

これがまた絶妙。
ごぼうの香りと味噌のコクが日本酒にぴったりで、
「これだけで永遠に飲める…」と思うほど。

主役級のつまみ:鴨ロース

鴨ロース

3枚で1,430円。合鴨の胸肉を独自のソースで柔らかく煮込んであります。

正直「高い」と思う。

でも、一口でわかる。
しっとり、ふっくら、旨みが濃い。

噛むほどに鴨の香りが広がって、「これが老舗の仕事か…」と静かに感動。

白髪ねぎの細くて美しい事!

のん兵衛のための一品「天抜き」

天抜き

天抜きとは、
天ぷらそばから“そばだけ抜いた”もの。

1,980円。

お酒好きは蕎麦を食べるとお腹いっぱいになってしまうから、
つゆと天ぷらだけを楽しむ“そば前専用メニュー”。

これも高い。高いけど結構海老が入っていました。

そしてかまぼこも1枚。
厚さが違うかもですが、かまぼこを単品で注文すると2枚で1,210円ですからね・・・。
オソロシイ・・・。

でも、つゆの旨みが天ぷらにしみて、「これだけで酒が進む…」という危険な美味しさ。

これは本当に美味しかった。つゆ?出汁?が美味しいんでしょうね。間違いのないお味でした。

締めの「せいろうそば」

せいろう

 

やぶそばといえば、ほんのり緑がかった美しい蕎麦。
つゆは濃いめで、蕎麦の三分の一だけつけるのが粋な食べ方 らしい。

お値段1,210円。

私は蕎麦の味の違いがわかるタイプではないけれど、のどごしの良さと、つゆの旨さだけははっきりわかりました。

写真見ておわかりでしょうが、お銚子2本目に突入しております。

そしてまさかの「山かけそば」まで

とろろそば

チガウ。チガウのよぅ。

かんだやぶそばのお料理は量が少ないって、この「とろろそば」はYouTubeで「3口で終わる」と言っていたから、「それなら余裕でしょ」と思って注文したのよぅ。

1,870円もするから、どうしようか迷ったけれども、今度はいつここに来られるかわからないので注文してみました。

どうですかこのビジュアル。
とろろの中にお蕎麦が浸かっています。最高かよ!

山芋が良い山芋なのでしょう。混ぜようと箸をくぐらせるとお餅のように全体が持ち上がるような持ったり感。お出汁もきいて麦ごはん入れたくなっちゃいます。

実際は普通に量があって、最後は腹パン。

結構頑張って食べました。

でも、
「もう無理…」ではなく
「幸せすぎて満たされた…」という腹パンでした。

最後は蕎麦湯でほっと一息

残ったつゆに蕎麦湯を注いでいただく。
これがまた美味しくて、
最後の最後まで“やぶそばの世界”を味わい尽くせました。

まとめ:高かったけど、それ以上の価値がある

  • 菊正宗とねりみそ
  • 鴨ロースの衝撃(高すぎて)
  • のん兵衛のための天抜き
  • 緑がかったせいろうそば
  • 山かけそばの満足感
  • 老舗の空気と店員さんの所作

どれも高い。
でも、どれも美味しい。
そして何より、
老舗の空気の中で飲むという体験そのものが、最高の贅沢でした。

また行きたい。
いや、絶対にまた行く。

頑張ってお金貯めよう。(この日のお会計は9千円ちょっとでした・・・)
次はあなご焼き2,970円食ったるねん!!!

雰囲気も味もサービスも、すべてが一流。
胸を張っておすすめできる名店でした。

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