テレビ東京で放送されたフェイクドキュメンタリーシリーズ番組「TXQ FICTION」。
本シリーズは、数々のモキュメンタリー作品を手がけてきた大森時生氏と、YouTubeホラー界で人気を集める「ゾゾゾ」や「フェイクドキュメンタリーQ」に関わる皆口大地氏がプロデューサーを務めています。
放送前からホラーファンの間で注目を集めていた本作。
本記事では、ホラー作品を長年視聴してきた筆者の視点から、第1弾『イシナガキクエを探しています』のレビュー・考察をします。
今回は、第3話について語っていきたいと思います。
最終回となる第3話の冒頭、番組制作中に亡くなった依頼人の米原さんが、1987年に出演したローカル番組の映像が流れます。
番組の内容は、“連絡先がわからない人を探してもらい、スタジオで生対面”するというもの。米原さんはその当時にもイシナガキクエさんを探していました。この番組内でもイシナガキクエさんに会うことはできなかったのですが、米原さんは司会者に写真を渡し何かを訴えかけています。
ノイズが酷く聞き取れなかった部分を修復してみると、ノイズの向こう側で、米原さんは
「何体も処理しているんです」
「35も」
「見つからないのが一番良いんですけど」
「キクエがもうこの世にいないってことを皆さんに確認してほしくてここに来ました」
と、話しています。
さらに、カメラに見せていた紙には住所と電話番号が書かれていました。
最新話で判明した「お祓い」と「代理人」の謎
米原さんがかつて連絡を取っていた「稲垣さん」という女性の存在が浮上します。稲垣さんは、占いやお祓い業を行っています。
カセットテープの記録
1990年代の留守番メッセージには、米原さんの声で「1体見つけましたので処置をお願いしたい」「代理の方は私の方で用意しておきます」という謎を深める発言が記録されていました。
米原さんの最期
番組のラスト、2024年2月のニュース映像で、米原さんが田んぼで焼死体となって発見されたことが明かされます。遺体の近くにポリタンクとライターがあったことから“焼身自殺”の可能性が浮上しています。

【考察】イシナガキクエとは「個体名」ではなく「状態」なのか
ここからは個人的な考察です。
この物語の核心にあるのは、イシナガキクエさんが「人間」として扱われていなかった可能性です。
「処理」と「35」という数字
米原さんが口にした「処理」という言葉。そして「35」という数字。これはイシナガキクエさんが一人ではなく、複数存在した(あるいは「量産」されていた?)ことを示唆しているのではないでしょうか。
代理人の正体
留守電にあった「代理の方」。もしイシナガキクエさんが何らかの「呪い」や「依代」のような存在だとしたら、米原さんはそれを管理・処分する役割を担っていたのかもしれません。
「見つからないのが一番いい」の真意
1987年の番組で米原さんが漏らしたこの言葉。探し続けているはずの彼がなぜそう言ったのか。それは、見つかった瞬間に「次の処理」が始まってしまうからではないでしょうか。
私たちは「何」を見せられていたのか
最終回を終えても、すべての謎が解明されるわけではありません。むしろ、米原さんの孤独な死と、永遠に終わらない「処理」の連鎖だけが浮かび上がってきました。
テレビ東京が深夜に放ったこの毒、皆さんはどう解釈しましたか?
あのAI補正された不気味な顔が今も目に焼き付いています。