皆さん黒電話ってご存知ですか?当然知っているという方がほとんどだと思いますが、最近の若い世代にはあまり馴染みがないかもしれませんね。現在全く使われなくなった黒電話。不気味、怖いという印象を持つ方も少なくないと思います。
今回は、そんな黒電話がキーアイテムとなるサイコスリラー映画「ブラック・フォン」をレビューしていきます!
「ブラック・フォン」は「IT ”それ”が見えたら、終わり。」でおなじみスティーヴン・キングの息子ジョー・ヒル原作のホラー短編小説「黒電話」をもとに描かれています。
進撃の巨人みたいな歯むき出しで笑っているマスクが印象的ですね。
あらすじ
舞台は1970年代、コロラド州のとある町で、子どもの連続失踪事件が起きていました。
不安が募る中、気の小さいフィニーはある学校の帰り道、マジシャンを名乗る男に「手品を見せてあげる」と声をかけられそのまま誘拐されてしまいます。気が付くと鉄格子と小さな窓、そして断線した黒電話のある地下室に。
一方、妹のグウェンはフィニーの失踪に関する不思議な予知夢を見たといいます。夢の記憶を頼りに、必死にフィニーの行方を探し始めるが・・・
冒頭は少年野球の試合が行われているシーンから始まります。
主人公フィニーは試合を観に来ていた気になる女の子に良いところを見せようと頑張りますが、相手チームのブルースにホームランを打たれ、残念ながら負けてしまいます。
この冒頭シーンが終わると場面は一気に不穏に。
試合が終わりブルースが自転車で走っていると、目の前に黒い車が現れブルースは突如行方不明になってしまいます。
フィニーが住む町では失踪事件が多発しており、その誘拐犯を「グラバー」と呼び恐れていました。
ある日トイレでいじめっ子たちに絡まれるフィニーをロビンが助けます。
喧嘩の強いロビンはフィニーの唯一の親友です。「自分の身は自分で守れ」と言うロビン。
そんなロビンもグラバーによって誘拐されてしまいます。
翌日妹のグウェンが校長室に呼び出されると、そこには2人の刑事が。
グウェンは失踪事件について、警察しか知り得ない情報を友達に話しており、それを聞きつけた刑事たちが事情聴取に来たのです。グウェンはたまに予知夢を見ると話します。
ロビンがいなくなったことでフィニーはまたいじめられてしまいます。
唯一の親友を失った悲しみに暮れながら学校から帰っていると、目の前に1台の黒い車が停まります。
買い物袋から食料品を落としながら車から降りてきた謎の男。
そう、こいつが”グラバー”なんですよね。こういうとき絶対近づいちゃだめなんですけど、フィリーは落ちたものを拾ってあげるんです。すると男は「マジシャンなんだ。マジックを見せてあげる」と言いそのまま誘拐してしまいます。
正直、あんなに失踪事件が頻発しているのに警戒心無さすぎでは?と思ってしまいましたが、場面は暗い地下室に切り替わりフィニーの脱出劇が始まります。
鳴り響く黒電話
誘拐され、目を覚ますとそこは鉄格子に小窓、トイレ、1枚のマットレスが敷かれた地下室でした。
フィニーは辺りを見回すと黒電話を見つけます。ダイヤルを回し電話をかけようとしますが、断線していて使えません。
殺される前に早くここから逃げなきゃと焦るフィニー。
すると断線しているはずの黒電話がヂリリリリと鳴りだします。
恐る恐る受話器を取ると、声の主はブルースでした。
ブルースは「床の割れたタイルを剥がすと土があるからそこを掘って外に出ることができる」と伝えます。そのあと電話はすぐに切れてしまいました。
フィニーはすぐに穴を掘り始めますが、当然外まで掘ることは難しく一旦休むことに。
一方グウェンは夢で、庭に木が植えてある家に閉じ込められているフィニーを見ます。
フィニーはドアの向こうから必死に助けを呼んでいる様子でした。
翌日フィニーに食料を持って来たグラバーは、地下室を出るときに扉を開けたまま上階へ行きました。
逃げるチャンスだと思い扉に手をかけると再び黒電話が鳴り響きます。電話からは「それは罠だ!」と警告が。
声の主は少し前に行方不明になった新聞配達をしている少年ビリーでした。ビリーによると、そこから逃げようとすれば上階で待ち構えているグラバーに殺されてしまうとのこと。
ビリーは部屋に隠した電線のありかを教えました。
電話が切れると、フィニーは電線に窓枠を引っ掛け、鉄格子を外すことに成功します。しかしそれだけでは窓は開かず、脱出することはできませんでした。
ホラー映画 < アツい友情映画
ポスターにも書いてある通り、”死者からの電話”、つまり今までグラバーの手によって殺害されてしまった子どもたちから電話がかかってくるんですよね。
そして皆黒電話を通して「自分では成し遂げられなかった脱出方法」を伝えてきます。
ここから脱出してやる!と諦めずに挑戦していくフィリーの勇敢さに思わず応援したくなります。
物語の終盤、フィニーの心が折れかけたときにロビンから電話がかかってくるのですが、フィニーとロビンの友情が全面に描かれたとてもアツい場面でした。
まさかの脱出方法にもご注目。
サイコスリラーというジャンルではあるものの、友情・努力・勝利というジャンプ的なストーリー展開で凄く見応えがありました!
誘拐犯グラバーもすぐに殺そうとぜず、最初は何がしたいのかわからなかったのですが、その「いつ殺されるのかわからない」という恐怖心でじわじわ追い詰めていくのが良かったです。
がっつりホラーを求めている人にはあまり刺さらないかもしれませんが、とても良い作品だなと思います。
気になった方はぜひ観てみてください!