世界初の最長距離無人航行
日本財団は大型カーフェリー「さんふらわあ しれとこ」の無人運航の実証実験を行い、約750kmにも及ぶ長距離、約18時間もの長時間航行の無人運航を成功させました。
実験は、日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一環で実施されたもので、本プロジェクトで開発された、自動離着桟システムや、陸上モニタリング用のAR(拡張現実)ナビゲーションシステムなどが利用されています。
自動航行をした船は、大型フェリー「さんふらわあ しれとこ」(全長190m、総重量1万1410トン)。一般的な機能を持つフェリーに、自律操船システムを搭載して無人運航ができるようにしたものです。
海を往来する他の船の検出には、標準搭載の船舶自動識別装置とレーダー、可視光カメラと赤外線カメラを採用しています。
ARでも監視
各種装置から得られた情報をAIが分析、他の船舶を見つけ衝突を自動で回避します。また、「さんふらわあ」の航行状況は陸上でも監視され。AR技術を活用した映像に各種情報を重ねて表示しています。
「MEGURI2040」
日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」は、2020年2月より5つのコンソーシアムと共同で、無人運航船の開発に取り組んできました。これまで開発を進めてきたさまざまな船種の無人運航船は、2022年1月から3月にかけて、5つすべてのコンソーシアムで実証実験を行っており、海の事故の減少、海運の人手不足の解消など、さまざまな課題の解決につながるものとして期待されています。
「無人運航船」は、ICTやAI、画像解析技術をはじめ、日本が世界に対し高い技術を生かすことができる「未来の産業」として期待されています。