こども会や地域の伝統行事がなくなる~コロナ禍を経て変化したもの~

先日、住んでいる地域の自治会総会がありました。これは、基本的に自治会に入っている全家庭から参加し、今年度の報告や来年度の計画、予算などについて話し合うものです。ここ最近はコロナ禍で、区長さんや役員さんだけの会議でしたが、4年ぶりに地域住民全員参加の会が開かれました。特に印象深かったのが、地域の伝統行事である「どんどや」が廃止になったこと。これには、自治会と地域のこども会との深い関係があり、コロナ禍を経て色んな価値観が変わったことを実感しました。

個人的体感にはなりますが、今回の総会に参加して改めて思った「地域の伝統行事やこども会がなくなる」ことについてまとめてみました。

こども会について

私のこども会ヒストリー

私が生まれ育った田舎では当たり前のようにこども会が存在し、何なら父はこども会の保護者会長もしていたので、こども会の行事にはほぼ参加していました。夏のキャンプやスポーツ大会、廃品回収やクリスマス会など、父たちは準備など大変だったと思いますが、子どもの私にとっては楽しい思い出となっています。

そして月日は流れ私が親の立場になった時、やはりこども会は普通にありました。田舎ということもあると思いますが、ほぼ住民の子どもが全員所属し、もちろん保護者も参加が当たり前。6年生の保護者が役員をするのが決まりで、子どもが6年生の時には会長も務めました。その時の規模としては、子どもは全員で25人くらい。会長の役は、我が家が一人っ子ということもあり覚悟はしていたので、行事にはなるべく参加し、会長になって困らないように地域や他の保護者との関係づくりも私なりに頑張っていました。

こども会の立ち位置

私が住む地域では、自治会の一部としてこども会が位置づけられ、予算も自治会から与えられ、子どもが関係する地区の伝統行事などはこども会の担当として仕事がありました。夏の「地蔵祭り」や、お正月の「どんどや」などがそれになります。

また小学校としても、登校班や夏休みのラジオ体操、地区ごとに開催される学校行事もあり、地元のこども会だけではなく、学校での会議などにも会長として参加していました。

年間行事(2019年の場合)

私がこども会の会長を務めたのが2019年度。年間行事をざっとまとめるとこんな感じです。

■4月    新年度登校班と登校時の見守り当番決め
■5月 こども会総会・運動会の地区別テントの設営
■7月   地域の清掃活動に参加
■8月 地蔵まつり寄付金集め・地蔵まつり
■9月 地域開催の学校行事お世話
■11月  しめ縄作り
■12月 しめ縄を地域の方に配る・どんどやの竹切り
■1月 どんどや祭り
■2月 こども会総会(新年度役員決め)
■3月 歓送迎会・引継ぎ

そんなに忙しくない方かもしれませんが、会長として会議の資料作りや予算の管理、また総会のお知らせなど(これはLINEなどでけっこう助かりましたが)、細かな仕事を数えていくとかなり大変でしたね。

会長のメリット

こども会が自治会の一部ということもあり、かなり地域と密接な繋がりがあります。保護者の中にはお手伝いの参加を呼び掛けても、子どもだけは参加するけど親は協力しない(仕事などで協力できない)家庭もあり、いつも集まるのは決まった保護者。正直、貧乏くじを引いたなとも思っていましたが、会長を務めて良かったことは、地域の方たちと顔見知りになれたこと。実は、この地域には縁もゆかりもなく、家を建てるにあたり引っ越してきたので、昔から住んでいる方たちにとっては新参者。これから長く住んでいく我が家にとっては、地域に溶け込んでいくためにも一つのステップだったと思っています。

コロナ禍を経ての変化

ほぼ行事が中止

私が会長を務めた2019年度は、年明けには新型コロナウイルスが日本にも上陸し、3学期には休校もあり、年度末の行事などはほぼ中止となりました。総会も、活動報告や予算報告などの書類を配布し、役員だけ集まって決めてもらい、また3月の歓送迎会も中止。

その後しばらく続くコロナ禍で、こども会はもちろん小中学校のPTAもほぼほぼ活動はなく、でも実際は活動が縮小されてとても楽だなと思っていました。

しかもコロナ禍はそれから2023年度まで続くことになり、3年間活動がないということは、こども会などを運営する役員も何も経験しないまま時が経ち、再開しようにもノウハウを知らないという状態に。

昔と違い、各家族や共働きが当たり前となり、家庭の事情でなかなか活動にも参加ができないことにコロナ禍が拍車をかけ、大人たちの意識もだいぶ変化してきたように思います。

地域が抱える住宅事情問題

今回のどんどや廃止には、実は地域の住宅事情が深く関わっています。ここ最近、アパートが新しく建ったりしたことで、自治会に入ってない世帯が増えました。我が地区では、アパートやマンションの世帯は、そこを管理するオーナーや不動産会社がゴミ出し場所などの管理費として別に年間費を払う形になるので、自治会員ではないんです。
なので、これまでもこども会の伝統行事には、自治会世帯の子どもたちはもちろん参加し親もお手伝いするけど、そもそも自治会に入っていない世帯は参加意識が薄く、コロナ禍の自粛ムードも手伝って子どもも親も参加しない傾向となっていました。

それを良く思っていない地域のお年寄りたちは、先日の自治会総会でそのことに触れ、「子ども会の行事に親が行事に参加しないんじゃ話にならない。できないなら、廃止した方がいい。」という結論になり、その場で多数決が取られ、どんどやの廃止が正式に決定しました。

まとめ

こうやって振り返ると、コロナ禍は健康問題だけではなく、様々なことに影響を与えたんだなと思います。今回は、地域の伝統行事が一つなくなりましたが、見方を変えればそれを喜ぶ人たちもいるわけで、今では当事者でない私から見ても、なかなか複雑な問題です。

また他の地域を見れば、コロナ禍を経て負担となっていたPTA活動を改革すべく、PTA自体を廃止したりする動きも活発となっています。

このことがどんな変化をもたらすのか、きっと10年後・20年後の地域を取り巻く状況に大きな影響を与えることになるかもしれませんが、うまく時代と共に変化していきたいなと願わずにいられません。

 

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