【119番の日】若い人たちに知ってほしい「公衆電話」の使い方

今日11月9日は、緊急通報用電話番号「119番」にちなんで『119番の日』です。消防発足40年を記念して1987年当時の自治省消防庁により制定されました。

119番通報する機会なんてない方が良いのですが、いつか来るかもしれないその時のために、是非若い人たちに知ってほしい「公衆電話」からの緊急通報についてご紹介します。

 

緊急時には無料で、しかも優先的に電話がかけられる

これは私の経験談ですが、ある自然災害に直面したことがあります。当時、電話回線がパンク状態でネットも不安定、また長期の停電が予想され携帯も満足に充電できず、遠方の親族に安否を連絡するもの一苦労でした。

幸い避難所の近くに自治体の施設があり、そこに電話ボックスタイプの公衆電話があったんです。小銭があったのでとりあえず実家に無事を知らせるために電話をかけたところ、スムーズに繋がり、また入れた10円も戻ってきました。

総務省によると、実は公衆電話は、災害等の緊急時において電話が混み合い通信規制が実施される場合であっても、通信規制の対象外として優先的に取り扱われ、また公衆電話は、NTT東日本・NTT西日本の通信ビルから電話回線を通じて電力の供給を受けているため、停電時でも電話をかけることができるんです。

なので、もし災害など緊急時に通報などをしたい場合は、まず公衆電話を探しましょう。普段の生活から、どこに公衆電話があるかを確認しておくのも、立派な防災知識の一つと言えるでしょう。

公衆電話の場所を事前に把握

携帯電話の普及率が上がるにつれ、公衆電話の設置数は減っています。NTT東日本によると、2022年3月時点では全盛期より79.7万台減少し、全国で13.8万台が稼働しています。公衆電話の利用率は20年間で98%減少したということです。

しかし、東日本大震災以降、緊急時における公衆電話の活用が見直され、現在公衆電話は緊急時を想定して設置されていますが、公衆電話の設置基準が緩和されたことにより、NTT東西は公衆電話の削減を決定し、最終的な設置台数を全国で13.8万台から3万台にするそうです。

もしものために、家から一番近い公衆電話を把握しておきたいもの。そんな時に役に立つのが、NTT東西がHPで公開している「公衆電話 設置場所検索」です。

NTT東日本→公衆電話 設置場所検索
NTT西日本→公衆電話 設置場所検索

是非一度、このサイトを見て家から一番近い、または仕事場や学校などから近い公衆電話を把握しておくといいと思います。

公衆電話はまず受話器を上げることを知らない若者たち

2022年に起きた「au」の携帯電話サービスで大規模な通信障害が発生した時に、こんなエピソードがあります。公衆電話を今まで一度も使ったことのない若者が、受話器をまず最初に上げることを知らず、受話器が置かれたままの公衆電話に10円を入れるけど戻ってきて、いつまでたっても電話がかけられず「何だよ!」と怒る若者が多かったとか。

40代の私からすると「何これ、都市伝説?」っていうくらい信じられないお話なんですが、よくよく考えると、生まれた時から既に電話と言えばスマホで、家電がない家庭も最近では珍しくないですよね。なので、コードの付いた受話器で電話をしたことの方が圧倒的に少なく、中には一度もない若者がいてもおかしくないんですよね。

そう考えると、我が家の高校生の息子にも、緊急時に公衆電話にたどり着き、そして電話がかけられるように一度詳しく教えなくちゃと思いました。受話器を上げてお金を入れ、「ツー」という音が出たら番号を押す。私には当たり前すぎる手順ですが、知らないなら一つ間違うだけで電話はできないし、緊急時なら焦りも手伝って、先述した若者のように腹を立てるもの納得です。

これを読んだ皆さんも是非、災害時に備えて、今一度公衆電話の使い方を家族で確認してみてはいかがでしょうか?

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