iPhoneで撮った写真を「もっと自分好みに仕上げたい」と思ったことはないでしょうか。
標準のJPEGやHEIFで撮ると、iPhone内部で自動補正がかかり、後から編集できる余地が狭まります。そんな悩みを解決するのが Apple ProRAW です。
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image:©Apple Inc.
RAW撮影というと「プロ向け」「難しそう」という印象を持つ人も多いかもしれません。しかしApple ProRAWは、iPhoneの優れた計算写真処理をそのまま活かしながら、後から柔軟に編集できる仕組みを持っています。
この記事では、Apple ProRAWの仕組み・対応機種・設定手順・実際の使い方・メリット/デメリットを、実際に撮影・現像している筆者の経験をもとに詳しく解説します。
Apple ProRAWとは?
Apple ProRAWとは、Appleが独自に開発したRAWフォーマットで、標準的なRAWデータとiPhoneの画像処理(Deep Fusion・スマートHDR・ナイトモードなど)を組み合わせたファイル形式です。
通常のRAW形式では、カメラが撮影した生のセンサーデータがそのまま保存されます。スマートフォンのRAWはiPhoneの計算写真技術が反映されないため、標準カメラアプリのような鮮やかな描写を再現しづらいという欠点がありました。
Apple ProRAWはこの問題を解消します。iPhoneが得意とする暗所補正や被写体認識を活かしつつ、露出・カラー・ホワイトバランスなどを後から大きく調整できる「いいとこ取り」のフォーマットです。
ファイル形式はDNG(Digital Negative)で保存され、Apple公式の写真アプリのほか、Adobe LightroomやCapture Oneなど主要な現像ソフトで開けます。
対応機種と対応条件(2025年最新)
Apple ProRAWは、iPhone 12 Pro以降のProシリーズに限定された機能です。無印iPhoneやiPadでは撮影できません。
対応機種一覧
| 機種 | 最大解像度 | 備考 |
|---|---|---|
| iPhone 12 Pro / 12 Pro Max | 12MP | ProRAW撮影可能 |
| iPhone 13 Pro / 13 Pro Max | 12MP | ProRAW撮影可能 |
| iPhone 14 Pro / 14 Pro Max | 12MP または 48MP | 解像度コントロール対応 |
| iPhone 15 Pro / 15 Pro Max | 12MP または 48MP | 解像度コントロール対応 |
| iPhone 16 Pro / 16 Pro Max | 12MP または 48MP | 超広角でも48MP対応 |
| iPhone 17 Pro / 17 Pro Max | 12MP または 48MP | 0.5x・1x・4x全カメラで48MP対応 |
Appleのサポートページ(Apple ProRAWについて)によると、iOS 14.3以降が必要で、ポートレートモードとLive Photos撮影時はProRAWを利用できません。
iPhone 17 Proの大きな進化
2025年発売のiPhone 17 Proシリーズでは、超広角(0.5x)・標準(1x)・中望遠(4x)の3つのカメラすべてで48MPの撮影が可能になりました。前モデルまでは1xカメラのみ48MPに対応していたため、表現の幅が大きく広がっています。
設定方法:ProRAWを有効にする手順
Apple ProRAWはデフォルトでオフになっています。以下の手順で有効化してください。
①フォーマット設定をオンにする
- 「設定」アプリを開く
- 「カメラ」をタップ
- 「フォーマット」をタップ
- 「Apple ProRAW」または「Apple ProRAWと解像度コントロール」をオンにする
②カメラアプリから撮影する
- カメラアプリを起動する
- 画面上部の「RAW」ボタンをタップして有効化(黄色になればオン)
- そのままシャッターを切る
ProRAWの設定を保持する方法
撮影のたびにRAWボタンを押すのが面倒な場合は、設定を保持できます。
- 「設定」→「カメラ」→「設定を保持」→「Apple ProRAWと解像度コントロール」をオン
ProRAW撮影のメリット
1. 後から大きく補正できる
JPEGやHEIFはiPhoneが撮影時に自動補正をかけるため、後から明るさや色を大きく変えると画質が劣化しやすいです。ProRAWはほぼすべてのデータを保持しているため、露出やホワイトバランスを大幅に変更しても自然な仕上がりになります。
2. iPhoneの計算写真処理が活きる
通常のRAWと違い、スマートHDR・Deep Fusion・ナイトモードがかかった状態でデータが保存されます。暗所での撮影でもAppleの補正処理を活かしながら、さらに自分好みに調整できます。
3. 高解像度(48MP)で詳細を記録できる
iPhone 14 Pro以降では48MPでの撮影が可能です。ファイルサイズは大きくなりますが、後からトリミングしても十分な解像度が残ります。風景写真やプロダクト撮影など、細部を残したい場面で威力を発揮します。
4. Apple写真アプリだけで現像できる
一眼カメラのRAWファイルと違い、PCが不要です。iPhoneの写真アプリそのままで現像できるので、移動中でもすぐに仕上げられます。
ProRAW撮影のデメリットと対処法
デメリット①:ファイルサイズが大きい
12MPで約25MB、48MPでは約75MBになります。HEIFの通常撮影(2〜3MB)と比べると、10〜25倍のサイズです。撮影枚数が多い場合、ストレージがすぐに埋まります。
対処法:
- iCloud写真を使い、本体ストレージを節約する
- 「ProRAWの最適化」で端末内はダウンサイズ版を保持する
- HEIF MAXへの変換(約5MBまで圧縮)も選択肢のひとつ
デメリット②:Proモデル限定
無印iPhoneでは使えません。iPhone 16やiPhone 16 Plusには非対応です(Appleコミュニティの報告でも確認済み)。
デメリット③:48MPは1xカメラ(メインカメラ)のみ(※機種による)
iPhone 16 Proまでは、48MP撮影は1xのメインカメラに限られていました。超広角・望遠は12MPです。iPhone 17 Proでは3カメラとも48MP対応になり、この制約が解消されています。
実際の使い方:Lightroomとの組み合わせ
筆者はProRAWで撮影した写真をAdobe Lightroom Mobileで現像しています。編集フローは以下のとおりです。
- ProRAWでDNGファイルとして保存
- 写真アプリまたはLightroomでインポート
- 露出・ハイライト・シャドウを調整
- 色温度・HSL(色相・彩度・輝度)で色調整
- ノイズ低減・シャープネスを整えて書き出し
なお、48MPのProRAWファイルを最大解像度で現像するには、純正カメラアプリで撮影する必要があります。LightroomモバイルのカメラではRAW撮影時の解像度が12MPに制限されます(Adobeコミュニティで複数確認済み)。
よくある質問(FAQ)
Q. Apple ProRAWはiPhone 16(無印)で使えますか?
A. 使えません。ProRAWはProシリーズ(iPhone 12 Pro以降)のみ対応しています。
Q. ProRAWで撮った写真はどのアプリで編集できますか?
A. Apple純正の写真アプリのほか、Adobe Lightroom、Photoshop、Capture One、Snapsheedなど主要な現像・編集アプリに対応しています。
Q. ポートレートモードでProRAW撮影はできますか?
A. できません。ポートレートモードとLive Photos撮影中はProRAWが使えない仕様です。
Q. 通常の写真とProRAWはどう使い分ければいいですか?
A. 記念写真や日常のスナップはHEIF(標準)で十分です。後から本格的に現像・レタッチしたい場面、印刷用途、逆光や暗所での撮影ではProRAWを使うと有利です。
まとめ:こんな人にProRAWはおすすめ
Apple ProRAWは、iPhoneの写真をより深く楽しみたい人向けの機能です。
- 露出やホワイトバランスを後から細かく調整したい
- LightroomなどのRAW現像ソフトを使っている
- SNSやポートフォリオ向けに仕上げにこだわりたい
一方、「撮ってそのままSNSに投稿する」スタイルであれば、HEIF MaxやJPEGの方がストレージ効率がよく、実用的です。
iPhoneのカメラ性能は世代を追うごとに進化していますが、ProRAWを使うことでその実力をさらに引き出せます。特にiPhone 14 Pro以降の48MPは、用途によっては一眼カメラに迫る品質を発揮します。ぜひ一度試してみてください。