11月3日の公開初日に観客動員12万人越えし、現在大ヒット上映中の劇場版「きのう何食べた?」(以下「何食べ」)。何を隠そう私も、その公開初日に映画を観た12万分の1の1人なのです!
前提として、まず私は「何食べ」はドラマから入ったこと。アラフォー女性で、家族構成は夫と中学生の息子の3人暮らし。「何食べ」への愛が溢れすぎて、家族は引き気味という状態です。後で記しますが、原作は映画を観た後に読み始めています。「何食べ」ファン度数的には猛者の皆さんにはお恥ずかしいものかもしれませんが、こんな私がお届けする劇場版「きのう何食べた?」映画レビュー、お付き合いください。
公開前の予習・歓喜のオンラインランチ会!
asologyでも度々「何食べ」については記事を書いていますが、(過去の記事→シロさんとケンジに映画館で会える!・劇場版「きのう何食べた?」の主題歌はスピッツ!・公開日まであと少し!)映画化が決定したのが2020年の3月。そして映画の公開日が11月3日に決まったのが今年の6月。公開初日に向けて毎日の公式HPやインスタなどのSNSチェックはもちろんのこと、私の予習は1か月前からラストスパートに入りました。
まず、これまでのドラマをNetfrixでおさらい。暇さえあればちょこちょこ観てました。しかも、洗濯物畳みながらでも観たくてBGM代わりに流していたので、家族には随分と迷惑をかけたかもしれません。やはり、名作は何度も観ても面白い!
そして、SNSで解禁される映画予告動画も何回も観てました!「胸キュン編」「飯テロ編」「京都編」「丁寧な暮らし編」「家族編」「特報」「90秒バージョン」などなど、ちょっと出しなんだけどファンにはたまらないシーンばかりで、映画への期待が勝手に爆上がりです!
さらには、10月31日の12時から開催された『「何食べ」オンラインランチ会~いまから何たべる?~』は最高に楽しい番組でした!映画の裏話や、「何食べ」に欠かせない料理をドラマから担当している西島さん曰く「影の主役」フードスタイリストの山﨑慎也さんが映画に登場したキャラメルりんごのトーストを作ってくれたりと、本当にファンの観たいもの・聞きたいことを網羅した完璧な時間でした。まだ映画をご覧になってない方は、ぜひこの動画で予習してください!
このサムネにもキュンキュンしちゃいます。また、この動画で発表されたのが、ドラマのオープニングを彩っていた音楽「OAU」の『帰り道』が、映画のオープニングも飾るという新情報!しかも、ドラマ同様に自撮り映像もあるという、もうファンが何を求めているのかよく分かってらっしゃる。
11月3日、いざ映画館へ!※ネタバレ注意
いよいよ迎えた2021年11月3日。本当なら朝一で行って、たくさんのファンの方たちと一緒に映画を楽しみたかったのですが、残念ながらどうしても外せない用事(息子の部活の公式戦)で、レイトショーをに観行くことに。
映画館の一番後ろのど真ん中が私のお気に入り席。余談ですが、お腹が空いてたので、劇場でポップコーンと飲み物をGET。しかし、コロナ禍の感染症対策で、ロビーで食べちゃダメ、また劇場に入ってからも、予告編が終わってからの時間からしか食べてはいけないそうで、それを知らなかった私は席についてすぐ食べてしまっていたので、そのお知らせが流れた時はちょっと気まずかったです・・・。
そして、ここからネタバレ注意です!
京都旅行で見せたケンジの切ない顔
まず最初は、予告編でも流れていた京都旅行のシーンから!これは、ケンジの誕生日プレゼントとしてシロさんが計画したもので、コロナ禍で旅行もいけないストレスを発散させてくれる名所の数々が目に楽しくて、そしてシロさんが優しすぎて「良かったね・・・ケンジ」とちょっとジーンときました。でも、このシロさんの優しさには後ろめたい事実があり、それは、ドラマのラストでケンジがお正月にシロさんの実家に行くというエピソードがありましたが、息子の恋人を目の当たりにたシロさんのお母さんがなんと数日寝込んでしまい、今度のお正月にはケンジを連れて来ないでほしいと言われ、これを懺悔するシーンでした。シロさんの両親は息子がゲイであることを最大限理解しようと色んな努力をしているんですが、やっぱり理想と現実はうまくいかないようですね。それをケンジが聞くシーンが本当に切なかった・・・。この時のケンジ役・内野聖陽さんの表情がもう素晴らしくて。何というか、恋人の実家に挨拶に行けたなんてきっとゲイの方たちにとってはこの上ない喜びだったと思うんです。そして、今度のお正月もきっと・・・、と少なからず期待していたんだと思います。ケンジはシロさんが京都旅行で優しすぎるので、別れ話かシロさんが病気になったんじゃと心配していたので、「何だ、そんなことか・・・」とホッとします。でも、好きな人の家族に受け入れられないって、ゲイじゃなくてもとってもショックなことですよね。しかも、何も悪くないのに。だから、ケンジがシロさんに怒ってもいいくらいのことだと思いますが、別れ話じゃなくてよかったと安堵する気持ちや、自分達が受け入れられない現実を憂う表情というか、本当に言葉にしがたい切ない表情でした。さすが、この秋に『紫綬褒章』を受賞した俳優さんです!
安定の飯テロ映画!美味しそうな料理の数々!
「何食べ」に欠かせないもの、それは美味しそうな料理の数々。ドラマでも、「ケンジのサッポロ一番味噌ラーメン」や「ジルベールのキムチチゲ」「クリスマスのラザニア」「かやくごはん」などなど、『何食べは飯テロ』と評判でした。
そして、劇場版でも安定の飯テロ映画となっており、お腹が空いた状態で観に行ってはいけません。
ある日、ゲイ友達の小日向&航カップルが、自宅の冷蔵庫が壊れたと、高価な食材を持ってシロさんとケンジの自宅にやってきます。そこへ助っ人として現れた、シロさんのお買い物友達でご近所に住むベテラン主婦の田中美佐子さん演じる「佳代子さん」。鮮やかな手際で、「キンキのアクアパッツァ」や「なんちゃってローストビーフ」を作り上げます。ローストビーフってハードルが高くてちょっと敬遠していましたが、これなら私でも作れそう!
ここでは、初めてジルベールを見た佳代子さんが思わず「もしかして、ケンジ?」と勘違いするシーンが最高でした!これをインスタに載せちゃうなんて、「ほんと、いけ好かない!」(byジルベール)
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他にも、自分のせいで落ち込んでいるケンジを元気づけようと、お裾分けのリンゴで作る「キャラメルりんごのトースト」は、甘いもの大好きな西島さんが絶賛していたメニュー。ハーゲンダッツのバニラをたっぷり乗せた、高カロリーで贅沢な一品。撮影裏話によると、料理のシーンでは俳優さんたちはほとんど素で「美味しい!」と言っているらしくて、西島さんなのかシロさんなのか確かに分からなくなるくらいの心からの「う~、うまい!」が出ていました。
人として大事なことを教えてくれる「名セリフ」の数々
予告動画を観ていても気になっていましたが、ケンジやシロさん、そしてシロさんのお母さんの「名セリフ」が本当に素晴らしかったです。
ケンジ「誰かの嬉しいことってのは、やっぱり嬉しいじゃない」
これは、前述の佳代子さんに孫が生まれることを、自分たちは自然には子どもが持てないゲイとしてジルベールの「子どもなんか居なくたって、本人たちが幸せならそれでいいじゃん」と突っぱねた発言を聞いたケンジがしみじみと言うシーンです。
きっとシロさんがケンジを好きなのはケンジのこんな純粋なところなんだろうなと、果たして私はそんな風に誰かの嬉しいことを自分のことのように喜べているかなって考えさせられ、そしてとても感動しました。
シロさんのお母さん「あなたはあなたの家族を一番大事にしてね」
実家にケンジを連れてこないでほしいと言ったシロさんの両親。息子がゲイであることも男性の恋人と同棲していることも決して拒絶するのではなく自分たちなりに理解し歩み寄ろうとしてる二人ですが、100%受け入れられないことはどうしようもないことです。
シロさんが出した結論は、「ケンジと一緒に正月は帰ってこない。でも、シロさん一人でも帰らない。」という、両親想いのシロさんにしては厳しいものでした。
それでも正月以外は、今までと同じように実家でお母さんと一緒に料理したりと、ケンジか両親かどちらかを取るのではなく、ケンジを大切にしながらも両親とも良好な関係を続けて行こうという、シロさんの覚悟が見えてくるようです。
このセリフは、映画の後半でそんな息子に向けて言われたセリフです。もう涙腺崩壊。息子の幸せを願う母親の想いが、この一言に集約されています。
シロさん「ここを通る人全員に、ケンジのことを自慢したいよ」
これは、映画の後半に、シロさんの誕生日ディナーの後二人で夜道を歩いているときにシロさんが言ったセリフです。
映画冒頭の京都旅行で、ケンジが「今ここ歩いている全員に、シロさん最高の彼氏~って自慢したいー!!」のお返しセリフになっていますね。
始めは、人目を気にして通りを二人で歩くこともままならなかったシロさん。ドラマ・映画を通して、自分のせいでケンジを傷つけることよりもケンジが喜ぶようにしようという、その変化というか成長がたまらなく嬉しい!!私の場合ケンジに感情移入してドラマを観ていたので、映画の最期にまさかこんなセリフが聞けるなんて、とっても幸せな気持ちになりました。
ちなみに、このディナーデートのシーンではかっこよくダンディに決めたケンジが観られます。(金髪にマフィアみたいなスーツ、そしてティアドロップサングラスのケンジです)
何食べおかわり決定!そして関連本で復習
映画を観終わった後、大きな満足感に包まれ、そして大切な人たちに会いたくなって足早に家路につきました。
家族が健康であること、毎日美味しく食事ができること、家があり毎晩お風呂や好きなテレビが観れてそして温かいベッドで眠りにつけること、朝起きておはようと言えること。コロナ禍を経験して、日常のありがたさを分かっていたつもりですが、もっと根本的に一日一日を大切にしようと思いました。
ドラマを何度も観ていた私は、もちろんまた映画を観たくなりました!だって、あの大きなスクリーンと大音量で「何食べ」が楽しめるだなんて、「何食べおかわり」決定です!!
すぐにでも2回目を見に行きたいところですが、そうもいかず・・・。でも、この「何食べ」熱を保温しておきたい私は、買っちゃいました。映画のオフィシャルブックに、レシピ本、そして劇場公開記念のポストカード付1~2巻セット!!
とうとう、よしながふみさん原作漫画の沼にもはまりそうです。こうなったら、とことんはまってやる~!!
そして、なんとオフィシャルブックには、「袋とじ ジルベール ~大ちゃん待ち顔~」がついてます。袋とじって、グラビアとかを立ち読みで見られないようにしているあのイメージがあり、そこへジルベールを持ってくるなんて「ほんとに、いけ好かない!」。
そこには、女性の私から見てもかわいい、恋人大ちゃんの帰りを待つジルベールがこれでもかと大盤振る舞い。(神の食べ物・ワサビーフもしっかり食べてました。)